近日上映予定
特集「ピーター・ローレ 変幻自在!」
2025/11/22 ~ 2025/12/05
ピーター・ローレPeter Lorre [1904 – 1964]
本名László Löwenstein。オーストリア・ハンガリー帝国生まれ、17歳で舞台俳優としてデビュー。ベルトルト・ブレヒトとも共演したこともある。ウーファの映画に出るようになり、フリッツ・ラング『M』で名を上げた。
ナチス台頭によりパリに亡命、さらに移住したイギリスでヒッチコックの『暗殺者の家』に出演したのがきっかけでハリウッドに渡る。自身の提案で製作されたスタンバーグ『罪と罰』でラスコーリニコフ役を演じ成功を収めた。その後も『マルタの鷹』、『カサブランカ』などで個性派脇役として活躍した。アメリカ映画『ミスター・モト』シリーズでは、頭脳明晰で柔術の使い手の日本人探偵、「モト・ケンタロー」を演じ、『八十日間世界一周』で日本人パーサーを演じるなど、日本人を演じる機会も多かった。
1951年に西ドイツで自身の小説を原作とした『追い詰められた男』を監督・主演。批評家から高く評価されたがヒットはしなかった。ハリウッドに戻り、50年代を通して映画出演を続けながら数多くのテレビドラマに出演した。
上映予定作品一覧(全20本)
『暗殺者の家 』
『狂恋 』
『罪と罰』
『間諜最後の日』
『ミスター・モト 才気煥発!』
『マルタの鷹』
『仮面の裏側』
『カサブランカ』
『恐怖の背景』
『毒薬と老嬢』
『渡洋爆撃隊』
『復讐!反ナチ地下組織』
『ホテル・ベルリン』
『ビッグ・ボウの殺人 』
『黒い天使』
『流砂』
『追い詰められた男』
『悪魔をやっつけろ 』
『海底二万哩』
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『M M-Eine Stadt sucht einen Mörder(110分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:1931年
監督:フリッツ・ラング
出演:ピーター・ローレ、オットー・ベルニッケ、グスタフ・グリュントゲンス、エレン・ウィドマン
1920年代の連続殺人鬼“デュッセルドルフの吸血鬼”をモデルに描いたラング初のトーキー作品。光と影が映し出す映像、口笛の効果的な使い方が素晴らしい傑作。犯人の異常性や民衆の狂気を描き出し、ナチス政権の発足を予感させるような不穏さに満ちている。
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『暗殺者の家 The Man Who Knew Too Much(76分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:1934年
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:レスリー・バンクス、エドナ・ベスト、ピーター・ローレ、ピエール・フレネ、ノヴァ・ピルビーム、ヒュー・ウェイクフィールド
サンモリッツからロンドンへと目まぐるしく舞台が変わるクライム・サスペンス。ヒッチコックが『M』を観て出演を熱望したというピーター・ローレの不気味な存在感が光る。後に、ハリウッドに渡ったヒッチコックが自ら『知りすぎていた男』としてリメイクした英国時代の佳作。
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『狂恋 Mad Love(68分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:1935年
監督:カール・フロイント
出演:ピーター・ローレ、フランセス・ドレイク、コリン・クライヴ
舞台女優に恋した外科医のピーター・ローレは、彼女の夫が事故で失った腕の移植手術をするが…。現代にも通じる狂ったストーカーもので、女優に生き写しの蝋人形を可愛がるスキンヘッドのローレにはゾクゾクする。窓硝子に写るクレジットを叩き割るオープニング、蝋人形、食虫植物、鸚鵡、老婆など恐ろしいイメージに満ちた怪作。
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『罪と罰 Crime And Punishment(88分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:1935年
監督:ジョセフ・フォン・スタンバーグ
出演:ピーター・ローレ、エドワード・アーノルド、マリアン・マーシュ、タラ・ビレル、エリザベス・リスドン
原作のイメージと全く異なるピーター・ローレがラスコーリニコフを演じる!スタンバーグは本作を気に入らなかったというが、「罪と罰」の精神を維持しながら、サスペンスと心理劇を合体させることに成功している。ローレの演技はもちろん素晴らしい!
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『間諜最後の日 The Secret Agent(86分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:1936年
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:ジョン・ギールグッド、パーシー・マーモント、ピーター・ローレ、マデリーン・キャロル
第一次大戦下。敵のスパイ暗殺のため殺し屋“将軍”と共にスイスに向かった英国諜報部のアシェンデン。しかし誤って無関係な観光客を殺し…。パーマと黒いドーランで“将軍”を演じるピーター・ローレの怪演、チョコレート工場での逃亡劇、列車転覆など見所満載の1作。
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『ミスター・モト 才気煥発! Think Fast, Mr. Moto(67分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:1937年
監督:ノーマン・フォスター
出演:ピーター・ローレ、ヴァージニア・フィールド、トーマス・ベック、シグ・ルーマン
貿易商にして名探偵の日本人ミスター・モトをローレが演じるシリーズ第一作。客船内で起こる殺人と船会社内部で蠢く陰謀の関係とは!? 変装したり柔道で敵を倒したりと、あのローレが大活躍するオリエンタル味溢れた作品。彼が作らせる珍妙な二日酔い特効薬もオカシイ。
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『マルタの鷹 The Maltese Falcon(100分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:1941年
監督:ジョン・ヒューストン
出演:ハンフリー・ボガート、メアリー・アスター、ピーター・ローレ、シドニー・グリーンストリート、ウォード・ボンド
ある女性の依頼でサーズビーという男を探る私立探偵サム・スペードと相棒のアーチャー。ところが、アーチャーとサーズビーが何者かに殺され…。ジョン・ヒューストンの処女作であり、この1作でボギーはハードボイルド映画における探偵の典型像となった!
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『仮面の裏側 The Face Behind the Mask(69分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:1941年
監督:ロバート・フローリー
出演:ピーター・ローレ、イヴリン・キース、ドン・ベドー、ジョージ・E・ストーン
夢を抱いて渡米したハンガリー人の時計職人ローレは、職と下宿を見つけ婚約者を呼び寄せようとするが…。顔に火傷を負い、社会からはじき出され、犯罪に手を染める移民の悲劇。映画の冒頭で英語の練習をしようと人々に話しかけるローレの可愛さと、運命の残酷さ。ロバート・フローリーはローレの素晴らしい演技を引き出している。
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『カサブランカ Casablanca(103分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:1942年
監督:マイケル・カーティス
出演:ハンフリー・ボガート、イングリット・バーグマン、ポール・ヘンリード、クロード・レインズ、コンラート・ファイト、ピーター・ローレ
1940年、戦乱のヨーロッパを逃れた人々が集まるカサブランカ。町の顔役・リックに反ナチスの英雄・ラズロが亡命の援助を依頼。しかしラズロの妻はリックのかつての恋人で…。エキゾチックな舞台とロマンチックな台詞、そしてボギーとバーグマンの存在感が熱狂的ファンを生んだ。
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『恐怖の背景 Background to Danger(80分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:1943年
監督:ラオール・ウォルシュ
出演:ジョージ・ラフト、ブレンダ・マーシャル、シドニー・グリーンストリート、ピーター・ローレ
列車で乗り合わせた女性から封筒を預かったジョージ・ラフトは、彼女が殺されたため殺人犯として追われる。外国人の半数はスパイと言われた第二次大戦最中の中立国トルコで、封筒をめぐるドイツの大物工作員とソ連のスパイの争奪戦が始まる。ラフトに加えて、グリーンストリート、ローレと豪華な布陣。ラストのカーチェイスのすさまじさを観よ!
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『毒薬と老嬢 Arsenic and Old Lace(118分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:1944年
監督:フランク・キャプラ
出演:ケーリー・グラント、プリシラ・レイン、ジョセフィン・ハル、ジーン・アディア、レイモンド・マッセイ、ピーター・ローレ
劇批評家のケーリー・グラントが結婚報告のために叔母姉妹の家を訪ねたことから始まる狂騒曲。孤独な訪問者を善意で“天国”に送ってきたサイコ姉妹、自分が大統領のつもりの叔父、殺人逃亡犯の兄、劇作家志望の警官が入り乱れるブラック・ドタバタ・コメディの傑作。頭のオカシイ兄に翻弄されるローレの運命や如何に!?
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『渡洋爆撃隊 Passage to Marseille(109分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:1944年
監督:マイケル・カーティス
出演:ハンフリー・ボガート、ミシェル・モルガン、クロード・レインズ、シドニー・グリーンストリート、ピーター・ローレ
第二次大戦中、反逆罪でギアナの悪魔島に送られたフランスの新聞記者・マトラックは、フランス降伏の報を聞き仲間と島を抜け出す。その後、自由フランス軍に参加し…。自由フランス軍を激励するため、豪華キャストと巨額の制作費を投入して製作された対独映画。
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『復讐!反ナチ地下組織 The Conspirators(102分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:1944年
監督:ジーン・ネグレスコ
出演:ヘディ・ラマー、ポール・ヘンリード、シドニー・グリーンストリート、ピーター・ローレ、ヴィクター・フランセン
反ナチ活動家のオランダ人教師はリスボンで地下組織の仲間に会うよう指示される。しかし、その中の一人が殺され…。ピーター・ローレ、シドニー・グリーンストリート、ヴィクター・フランセン等々、仲間は怪しい奴ばかり。果たして裏切り者は、そして死に際の「ワシを捕られた」という言葉の意味は!? ドイツ人の妻ヘディ・ラマーとの恋も絡んだ冒険活劇。
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『ホテル・ベルリン Hotel Berlin(99分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:1945年
監督:ピーター・ゴッドフリー
出演:ヘルムート・ダンティーネ、アンドレア・キング、レイモンド・マッセイ、フェイ・エマーソン、ピーター・ローレ、アラン・ヘイル
敗戦直前のドイツ。ホテル・ベルリンにはナチス高官、地下組織メンバー、国民的女優、著名な科学者が宿泊していた。空襲警報が鳴り響く中、敗戦後を睨んで秘密裏に計画を立てる人々が交錯するグランドホテル形式の作品。ローレはナチスのために研究したことを悔やむノーベル賞受賞者である科学者を演じている。
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『ビッグ・ボウの殺人 The Verdict(87分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:1946年
監督:ドン・シーゲル
出演:シドニー・グリーンストリート、ピーター・ローレ、ジョージ・クールリス、ロザリンド・イヴァン
1890年、ロンドン警視庁の名物警視グロッドマンの捜査ミスによって無実の男が処刑される。職を追われた元警視は…。破滅覚悟でライバルに勝とうとするクレイジーな主人公をはじめ、登場人物のキャラが濃い。銃撃シーンの流麗なカメラワークや扉の開閉をうまく使った編集にシーゲルらしさがうかがえる。
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『黒い天使 Black Angel(81分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:1946年
監督:ロイ・ウィリアム・ニール
出演:ダン・デュリエ、ジューン・ヴィンセント、ピーター・ローレ、ブロデリック・クロフォード
別居中の妻に結婚記念日の贈物(ハートのブローチ)を届けるが会ってもらえないダン・デュリエ。その夜、妻の死体が発見され愛人が逮捕されるが…。消えたブローチ、妻の脅迫行為、残されたマッチ、もう一人の面会人ローレ。果たして犯人は誰だ!? “信用できない語り手”もののノワール。デュリエと妻の想い出の曲『Heart Break』が全編を彩る。
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『流砂 Quicksand(80分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:1950年
監督:アーヴィング・ピシェル
出演:ミッキー・ルーニー、ジーン・キャグニー、バーバラ・ベイツ、ピーター・ローレ、テイラー・ホームズ
一目惚れした女とのデート代20ドルを自動車整備工場のレジから“借りた”ミッキー・ルーニーだが…。出来心で借りた20ドルを返すため次々悪手を打ったあげく、袋小路に追い込まれていく“逆わらしべ長者”ルーニー。彼の幼く浅はかな雰囲気が役にぴったり。ノワールらしい陰影に富んだカメラも素晴らしい。
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『追い詰められた男 Der Verlorene(99分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:1951年
監督:ピーター・ローレ
出演:ピーター・ローレ、カール・ジョン、ヘルムート・ルドルフ、ヨハンナ・ホーファー
第二次大戦後、難民収容所で働く医師(ピーター・ローレ)の元に過去を知る男がやってきて、ローレは戦中に犯した罪に追い詰められていく…。ローレの唯一の監督作で、大コケしたことで彼はハリウッドに戻ることになった。踏切や電信柱の長いシルエットを煽りで撮るショット、ローレの黒いシルエット、回想形式などノワール的雰囲気に溢れた作品だが、物語としては捉えどころがない。
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『悪魔をやっつけろ Beat the Devil(90分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:1954年
監督:ジョン・ヒューストン
出演:ハンフリー・ボガート、ジーナ・ロロブリジーダ、エドワード・アンダーダウン、ジェニファー・ジョーンズ、ロバート・モーリィ、ピーター・ローレ
ハリウッドの黄金コンビ、ジョン・ヒューストンとハンフリー・ボガート最後の映画。アフリカの埋蔵ウラニウムを狙って一癖も二癖もある人々が抜け駆けしあうコメディで、公開当初は「内輪受け悪ふざけ映画」と揶揄されたが、後に傑作群像劇として評価が高まった。
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『海底二万哩 20,000 Leagues Under The Sea(128分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:1954年
監督:リチャード・フライシャー
出演:カーク・ダグラス、ジェームズ・メイソン、ポール・ルーカス、ピーター・ローレ、ロバート・J・ウィルク
船を次々に襲う怪物を探索する学者と助手は…。レトロな特撮で描くジュール・ヴェルヌ原作のSF海洋冒険スリラー。潜水艦ノーチラス号を使ってテロを行う天才ネモ艦長の世界への憎しみ、その発明を社会に活かしたい教授、粗暴だが人間的な船乗り、そして教授の助手(ピーター・ローレ)。「人間は未だこの技術(原子力?)を使うには早い」というラストは今もリアルな言葉として胸を打つ。
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