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館主のひとりごと
官能の帝国3〜田中登作品をめぐって〜
2010/03/20 〜 2010/04/16
奇跡の復活を遂げたロマンポルノに対し、元祖の底力をみせつける!田中登監督作品を多数含む渾身の26本です。
『夜汽車の女』
公開:1972年
監督:田中登
主演:田中真理、続圭子、桂知子、丹古母鬼馬二、山口明美、雪丘恵介、織田俊彦、影山英俊、三川裕之
淑やかな裕美と大胆な冴子という対照的な姉妹は、母を早くに亡くし、互いの存在に異常なほど執着していた。しかし、姉・裕美が婚約したことから二人の関係はもつれ、遂に恐ろしい悲劇を招く。壊れた皿の破片が食い込んだ掌、夜汽車で乗り合わせる盲目の女芸人、寝たきりとなった父の口に注ぎ込まれるトマトの果汁など、田中登による耽美的映像に圧倒される傑作!
『(秘)色情めす市場』
公開:1974年
監督:田中登
主演:芹明香、花柳幻舟、宮下順子、萩原朔美、夢村四郎、岡本彰、高橋明、絵沢萠子、小泉郁之助、小林旦
大阪のドヤ街、売春で知的障害の弟を養いながら生きるトメ。ぼろぼろのワンピースを身にまとい、裸足で裏路地を彷徨い客をとるトメの姿が、モノクロの画面に幻想的に映しだされる。初めて弟と交わる場面ではパートカラーになり、神々しいまでのトメの表情、肉体が見るものに迫る。
『団地妻 昼下りの情事』
公開:1971年
監督:西村昭五郎
主演:白川和子、浜口竜哉、南条マキ、関戸純方、美田陽子、前野霜一郎、大泉隆二、小泉郁之助
日活が社運をかけて挑んだ、記念すべきロマンポルノ第一回作品。平穏な日々を送る団地妻・律子に、友人の桐原から一本の電話があった。桐原と会った律子は誘われるままに身体をゆるすのだが、一度の情事が売春組織への入り口になろうとは…。幸せの仮面を被った団地妻たちの実態や如何に!?ピンク映画の女王・白川和子を主演に迎え、団地妻の転落劇を描く。
『女高生レポート 夕子の白い胸』
公開:1971年
監督:近藤幸彦
主演:片桐夕子、山岸恵美子、高見ユキ、里見洸治、森田蘭子、甲斐康二、白井鋭、清水国夫、島村謙二、高橋明
教師の石田に恋心を抱く女子高生の夕子。性への好奇心から、同級生とレズのまねごとをしたり乱交パーティーに参加したりするものの、やはり石田を忘れられずに彼のマンションを訪ねた夕子に思わぬ事態が降りかかり…。別の名で端役を演じていた片桐夕子は、この作品でヒロインの名前を芸名として鮮烈な再デビューを果たし、一気にスター女優への階段を駆け上がった。
『花弁のしずく』
公開:1972年
監督:田中登
主演:中川梨絵、三田村玄、牧恵子、白川和子、大泉隆二、雪丘恵介、長弘、葵三津子、原田千枝子、金井千恵、佐藤八千代、橘田良江
不感症の人妻・雪絵は、夫の浮気に悩み、精神科の診察を受ける。彼女は、両親のセックスを見てしまった幼児体験や、暴漢に襲われた少女時代の記憶、夫にむりやり処女を奪われたことなど、様々な性的トラウマが不感症の原因であることを知り…。田中登の監督デビュー作ながら、すでに「花」や「金魚」など独特のモチーフが散見される。
『エロスの誘惑』
公開:1972年
監督:藤田敏八
主演:中川梨絵、川村真樹、小松方正、地井武男、天坊準、福地健太郎、氷室政司、長弘
倉庫街の一角にあるちっぽけな会社。ここで働く社長の囲われ者の事務員、さえない中年男、偽学生、流れ者の男など、社会の底辺に生きる人間たちの虚無的でやるせない日常と性を描く。中川梨絵演じる女事務員の肉体に群がる男たちの卑小な駆け引きが哀しさを誘う。
『昼下りの情事 変身』
公開:1973年
監督:田中登
主演:青山美代子、絵沢萠子、風間杜夫、高橋明、槇村正、浜口竜哉、ジョージ・ハリソン、グレート宇野、相川圭子、続圭子
沖縄から上京し、兄の経営する花屋で働く少年・純。兄嫁から関係を強いられ鬱々とした日々をおくる彼は、花を買いにくる清楚なOL涼子に憧れにも似た恋心を抱く。しかし、ふとしたきっかけで涼子の裏の顔を知った純は…。当時の沖縄が置かれた状況のメタファーであるかのような少年・純には、演じた風間杜夫も思い入れがあるという。
『(秘)女郎責め地獄』
公開:1973年
監督:田中登
主演:中川梨絵、山科ゆり、あべ聖 、薊千路、絵沢萠子、堂下繁、織田俊彦、長弘、小泉郁之助、高橋明
吉原から場末の百文女郎にまで落ちたおせんは、客が3人も変死を遂げたことから“死神”の異名をとるようになった。苦界に居直って生きる女の姿を描いた、日本映画監督協会新人奨励賞受賞の名作。おせんが非人たちに担がれ連れ去られるシーンや、人形に見立てられたおせんが黒子姿の人形遣いに愛撫されるシーンなど、その様式美と凝りに凝った映像美は伝説となっている。
『濡れた荒野を走れ』
公開:1973年
監督:沢田幸弘
主演:地井武男、山科ゆり、川村真樹、井上博一、高橋明、久松洪介、しまさより、南昌子、大山節子
覆面をした警官たちが強盗や強姦を繰り返し、その後一番乗りで現場に駆けつけ証拠隠滅を図る。そんな時、かつての同僚が精神病院を逃走。犯行が漏れるのを恐れたグループは彼を抹殺しようとし…。脚本段階で慌てた日活の圧力を受けながらも完成に漕ぎ着けたという反体制ポルノ。権力と反権力が入り乱れた問題作が登場!
『必殺色仕掛け』
公開:1973年
監督:藤井克彦
主演:二條朱実、市川亜矢子、牧れい子、叶今日子、薊千露、丹古母鬼馬二、島村謙次、木夏衛、浜口竜哉 、谷本一
時代は昭和初期、広満一家の女郎屋の繁盛ぶりに目をつけた金辰一家は、色道三兄弟を呼び寄せる。名器を備えた三女郎VS逸物揃いの三兄弟、広満屋をかけた色勝負が始まる。ついにはセックス秘術で名を馳せる“日陰花のおいく”も参戦し…。コメディ満載の傑作任侠ポルノ。
『女教師 私生活』
公開:1973年
監督:田中登
主演:市川亜矢子、梢ひとみ、風間杜夫、鶴岡修、島村謙次、影山英俊、薊千露、橘田良江、高山千草、横田楊子
自分の性の欲望に忠実に生きる女性像をクールに描く「女教師」シリーズ第一作。孤独を癒すため教え子の啓二と同棲しペットのように扱う高校教師のなおみ。啓二はそんな爛れた関係に嫌気がさすものの、なおみと離れることができず…。桜吹雪が舞い散る公園でのセックス、色とりどりの風船、そして流れるのはアグネス・チャンの「ひなげしの花」。田中登ならではのシュールなショットが印象的な名作。
『OL日記 濡れた札束』
公開:1974年
監督:加藤彰
主演:中島葵、絵沢萠子、堂下かずき、浜口竜哉、賀川修嗣、高橋明、叶今日子、堺美紀子
1973年に起きた滋賀銀行女性行員による9億円横領事件に題材を得た実録ポルノ。中年のベテラン行員が、情夫の存在によって転落していく軌跡が描かれる。孤独な女性が性におぼれ、若い男への狂おしいまでの執着から金を貢いでいく哀切極まる姿が愛おしい。中島葵のロマンポルノ初主演作であり、その存在感と演技は忘れがたい。
『発禁本「美人乱舞」より 責める!』
公開:1977年
監督:田中登
主演:宮下順子、山谷初男、南寿美子、工藤麻屋、中島葵、新城理絵、長弘、織田俊彦、清水国雄、大栗靖史、八代康二、水木京一、小林亘、小泉郁之助、佐藤了一
実在した“責め”の芸術家・伊藤晴雨を主人公に据え、場末のカフェで知り合った女給・タエが晴雨の元の妻たちに対抗するかのように、苦痛とも快楽ともつかない加虐と被虐の世界に飲み込まれていく様を描く。古びた日本家屋の廊下で吊るされるシーン、真っ白な雪原の中を赤い長襦袢の女が凍った池に踏み入るシーンなど、凄絶ながら美しいイメージの氾濫に圧倒される。
『女教師』
公開:1977年
監督:田中登
主演:永島暎子、砂塚英夫、山田吾一、鶴岡修、宮井えりな、久米明、穂積隆信、蟹江敬三、樹木希林、古尾谷康雅、絵沢萠子、福田勝洋、八代康二、近江大介、五條博、織田俊彦、橘田良江、堺美紀子、あきじゅん、森みどり
音楽教師・節子が不良生徒の江川に強姦されるが、学校側は事件をうやむやに終わらせようとする。生徒達の間では「先生が誘惑した」という噂が広がり、節子は学校を辞め北海道で自殺を図る。そんな中、江川が誘拐され、節子を陥れた2人の教師が殺害されるという事件が起こり…。映像美で知られる田中登の、ストーリー重視の「社会派エロス大作」。少年を演じた古尾谷康雅(のちの古尾谷雅人)のデビュー作であり、その存在感は圧倒的。
『危険な関係』
公開:1978年
監督:藤田敏八
主演:宇津宮雅代、三浦洋一、片桐夕子、野平ゆき、風戸佑介、南美江、根岸明美
未亡人の綾子は、かつて自分を犯した北林に復讐するため、北林の婚約者・百合子を誘惑して欲しいと以前の愛人・雄二に依頼する。ところが、綾子の現在の恋人が百合子に心を奪われ…。複雑に絡み合った男と女の関係が、破滅的な結末を招き寄せる。ラクロの原作の有閑階級の恋愛ゲームを、新藤兼人が脚色し藤田敏八が演出した作品。
『トルコ110番 悶絶くらげ』
公開:1978年
監督:近藤幸彦
主演:原悦子、星野暁一、益富信孝、吉沢由起、片桐夕子、藤野弘
吉原のトルコに女を紹介して生計をたてる三浦は、自分が斡旋した家出娘のチョマに惚れてしまう。ところが、街のヤクザも売れっ子のチョマを気に入ったことから、三浦が目をつけられることになり…。いつも「唐獅子牡丹」を口ずさみ高倉健に憧れながら女を食い物にする三浦、恋人との結婚を望みながらトルコ嬢になったチョマという、理想と正反対の現実を生きる2人の姿がやるせない。
『団地妻 肉欲の陶酔』
公開:1979年
監督:伊藤秀裕
主演:鹿沼えり、古尾谷雅人、和田周、マリア茉莉、朝霧友香、梓ようこ
団地から抜け出して一戸建てに住むことを夢見る人妻の妙子は、ある日暴走族のリーダー・青野に出会い、全く知らなかった性の世界へと踏み込んでいく。平凡な人妻の様々な抑圧からの「解放」を描く。後に夫婦となる鹿沼えりと故・古尾谷雅人が初共演した作品でもある。
『愛欲の標的』
公開:1979年
監督:田中登
主演:宮井えりな、水島美奈子、日野繭子、中丸信、長島隆一、河西健司、絵沢萠子、石山雄大
金持ちと結婚したあずさは、心臓の悪い夫の前で自分をレイプさせて夫を殺害する。完全犯罪を成し遂げた喜びも束の間、姪からの脅迫電話が入り…。夫の残した莫大な遺産をめぐっての愛と裏切りを描く。犯罪に手を染めていく宮井えりなの悪女ぶりに注目だ。
『見せたがる女』
公開:1981年
監督:小沼勝
主演:風間舞子、志麻いづみ、北原理恵、高原リカ、沼田爆、吉原正皓
新婚早々出張がちな夫に、妻のとり子は欲求不満をつのらせる。夫が家にいる時はセックスの猛攻撃をしかけ性欲を解消していたとり子だったが、ひょんなことからマンションの隣の夫婦とスワッピングとなり・・・。コミカルな味もある欲求不満人妻ポルノ。
『黒い下着の女』
公開:1982年
監督:斎藤信幸
主演:倉吉朝子、山口千枝、吉川遊土、佐竹一男、上野淳、小川亜佐美、錆堂連
会社の金を持ち逃げした麻美は、恋人のマモルと共に上京し友人の家に身を寄せる。スナックで働き、やがて店の客と寝て金を取るようになる麻美。そんな彼女に嫌気がさしたマモルは、ラーメン屋で働くトキ子と付き合うようになる。麻美は男を取り戻すため意外な行動にでるのだが…。
『軽井沢夫人』
公開:1982年
監督:小沼勝
主演:高田美和、五代高之、吉川由美、根岸明美、土屋嘉男、江原真二郎、梓よう子、北見敏之
夏の軽井沢を背景に、上流社会に憧れ成りあがろうとする野心家の青年と、裕福ではあるが孤独な社長夫人の愛欲の日々を描いた作品。往年のお姫様女優・高田美和がヌードを披露して話題となった、日活創立70周年記念大作。
『縄と乳房』
公開:1983年
監督:小沼勝
主演:松川ナミ、田山涼成、仙波和之、志麻いづみ、高橋明、佐川泉、高林陽一
SMショーを生業とする夫婦の小夜と功。ショーの大盛況とは裏腹に、私生活での二人の性生活は冷え切っていた。そんな折、SM愛好家の川村とその妻に招かれ、奇怪な責め道具が並ぶ怪しい地下室で、川村夫妻のためにショーを始める二人であったが…。SMショーを通して夫婦の再生を描く、愛欲の人間ドラマ。
『女囚・檻』
公開:1983年
監督:小沼勝
主演:浅見美那、渡辺良子、松川ナミ、室井滋、由利ひとみ
男子禁制の女刑務所を舞台に、女囚たちが抑圧された性欲をあの手この手で満足させる姿や、刑務官たちとの対立を描く。反抗的な態度で刑務官の岸子から睨まれている女囚の正代は、当の岸子が懺悔室で新婦と身体を重ねているのを目撃し…。若き日の室井滋が出演しているのも見所。
『痴漢通勤バス』
公開:1985年
監督:滝田洋二郎
主演:滝川真子、中根徹、姫川京子、姫川艶、星野マリ、彰佳響子、池島ゆたか、蛍雪次朗
マコがバスガイドとして勤める営業所は、最近さっぱり客足が伸びない。このままでは倒産だと、「走る歌舞伎町」=おさわりバスを企画する。ところが、このバスに17年前のあの三億円事件の犯人が乗り込んできたから、さあ大変!さらに彼を追い続けてきた元捜査員や、当時の現金輸送車の運転手もからんで事態は思わぬ方向へ…。滝田洋二郎監督によるユニークで才気溢れるコメディ・ポルノ。
『箱の中の女 処女いけにえ』
公開:1985年
監督:小沼勝
主演:葵令子、木築沙絵子、田村寛、小原孝士
カリファルニアで実際に起こった事件をもとに、小沼勝とガイラのコンビが描いたSMノワール。ヒッチハイクしていた実千代が乗せてもらった車は、異常性欲を持つ変態夫婦が運転するものだった。夫婦に監禁された女は、あらゆる方法でいたぶられ…。にっかつがロマンXとして売り出したハードポルノ第1作。
『箱の中の女2』
公開:1988年
監督:小沼勝
主演:長坂しほり、河村みゆき、小川真実、中西良太、浅井夏巳
密室監禁ものの白眉「箱の中の女」シリーズ第2弾。妻に裏切られたペンションのオーナーは、客として来る人妻を次々に箱の中に監禁して復讐の対象としていたが…。 鬼才・小沼勝監督のロマンポルノ最後の作品。雪山の白のイメージの中に真っ赤な箱の色彩が鮮やかな、小沼美学が炸裂する傑作。
『古典クラブ「生きるべきか死ぬべきか(To Be or Not To Be)」』
公開:1942年
監督:エルンスト・ルビッチ
主演:キャロル・ロンバード、ジャック・ベニー、ロバート・スタック、フェリックス・ブレサート、ライオネル・アトウィル
舞台はナチス占領下のワルシャワ。マリアとヨーゼフの役者夫婦はシェイクスピア劇に出演中だが、妻は愛人と示し合わせて夫の出番中に逢いびきを楽しんでいる。そんな時、ナチスのスパイがワルシャワに潜入し…。巨匠ルビッチがナチス体制を徹底的に皮肉った傑作中の傑作。キャロル・ロンバードが映画完成の一週間後、飛行機の墜落事故で非業の死を遂げたという曰く付の作品でもある。
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