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館主のひとりごと
映画史上の名作4
2010/09/04 〜 2010/10/01
今では劇場で観ることが難しくなった歴史的名作を集めてお送りする「映画史上の名作」特集も4回目となりました。『東への道』、『市民ケーン』、『生きるべきか死ぬべきか』などの言わずと知れた傑作に加え、日本未公開ミュージカルの『恋人を家に送って歩く道』や、見世物小屋を舞台にくりひろげられるダークな作品『悪魔の往く町』など、見逃せない24作品です!なお、作品は16mmフィルムでの上映です。
『市民ケーン(Citizen Kane)』
公開:1941年
監督:オーソン・ウェルズ
主演:オーソン・ウェルズ、ジョセフ・コットン、ドロシー・カミンゴア、エヴェレット・スローン、アグネス・ムーアヘッド、ルース・ウォリック
新聞王ケーンの死に際の言葉「薔薇の蕾」の謎をさぐるうち、人々に忌み嫌われ恐れられた男の孤独な生涯が浮かび上がる。天才オーソン・ウェルズが製作、監督、脚本、主演を手がけた処女作であり、撮影・構成・音響などあらゆる面で技術革新をもたらした。現在では映画史上屈指の傑作とされる本作だが、公開時にはケーンのモデルである新聞王ハーストの妨害に遭い、興行的には大失敗であった。
『生きるべきか死ぬべきか(To Be or Not To Be)』
公開:1942年
監督:エルンスト・ルビッチ
主演:キャロル・ロンバード、ジャック・ベニー、ロバート・スタック、フェリックス・ブレサート、ライオネル・アトウィル
舞台はナチス占領下のワルシャワ。マリアとヨーゼフの役者夫婦はシェイクスピア劇に出演中だが、妻は愛人と示し合わせて夫の出番中に逢いびきを楽しんでいる。そんな時、ナチスのスパイがワルシャワに潜入し…。巨匠ルビッチがナチス体制を徹底的に皮肉った傑作中の傑作。キャロル・ロンバードが映画完成の一週間後、飛行機の墜落事故で非業の死を遂げたという曰く付の作品でもある。
『東への道(Way Down East)』
公開:1920年
監督:D・W・グリフィス
主演:リチャード・バーセルメス、リリアン・ギッシュ、メリー・ヘイ、ノーマ・シアラー
年老いた母と暮らすアンナは、プレーボーイのサンダースンに結婚を餌に貞操を奪われ妊娠してしまう。その子供も病気で失った後、遠い土地で女中になったアンナは、主人の息子・デイビッドに愛されるのだが、近所に住んでいたサンダースが彼女の過去を暴露し…。母子家庭、貧乏、結婚詐欺、妊娠、母と子供の死…と不幸の連続のアンナの運命をドラマティックに描く、メロドラマの傑作!【英語字幕】
『奇傑ゾロ(The Mark of Zorro)』
公開:1921年
監督:フレッド・ニブロ
主演:ダグラス・フェアバンクス、マーガレット・ド・ラ・モット、ノア・ビアリー、ロバート・マッキム、ミルトン・バール
19世紀のスペイン領カリフォルニア。悪政で民衆が苦しむ中、突如現れた黒装束の剣士ゾロが悪者を次々に退治し、人々の希望の光となっていた。彼の正体は謎に包まれていたが、それは意外な人物で…。サイレント期のハリウッド随一の“快男子”ダグラス・フェアバンクスが驚異的な身体能力を披露し、日本での公開当時にも大変な人気を呼んだ一作。
『豪勇ロイド(Grandma’s Boy)』
公開:1923年
監督:フレッド・ニューメイヤー
主演:ハロルド・ロイド、ミルドレッド・デイヴィス、アンナ・タウンゼント、チャールズ・スティーヴンソン
気が弱いおばあちゃんっ子のロイド。愛しいミルドレッドとの仲も、恋敵に邪魔されてばかり。そんな時、町がならず者に襲われ、ロイドは保安官代理を押し付けられてしまう。ならず者捕獲どころかドジばかりの彼に、おばあちゃんは魔法のお守りだという小さな木彫りを差し出し、「死んだおじいちゃんは、これのお陰で南北戦争で大活躍した」と言うのだが…。心温まるほのぼのコメディ。【英語字幕】
『戦艦ポチョムキン(Bronenosets Potyomkin)』
公開:1925年
監督:セルゲイ・M・エイゼンシュテイン
主演:アレクサンドル・アントノーフ、グリゴリー・アレクサンドロフ、ウラジミール・バルスキー
1905年夏。黒海沖の巡洋艦ポチョムキン号に乗船する水兵たちは、非人間的な命令を強いる上官に対して反乱を起こしオデッサの港へ寄港するが、やがて軍隊が押し寄せ大虐殺が繰り広げられる。エイゼンシュテインの代表作にしてサイレント時代の最高傑作という呼び名の高い作品。オデッサの階段を乳母車が転げ落ちていくシーンは、のちにブライアン・デ・パルマ監督が自作『アンタッチャブル』でオマージュを捧げている。
『ダグラスの海賊(The Black Pirate)』
公開:1926年
監督:アルバート・パーカー
主演:ダグラス・フェアバンクス、ビリー・ダヴ、アンダース・ランドルフ
父の仇である海賊たちを一網打尽にするため自ら一味に入って機会を伺う主人公を、アメリカの国民的スター、ダグラス・フェアバンクスが演じる。海賊に捕らえられた貴族の令嬢とのロマンスあり、悪漢たちとの対決ありの痛快活劇ロマンス。個性的でイカレタ悪漢海賊たちが笑いを誘う。
『熱砂の舞(The Son of The Sheik)』
公開:1926年
監督:ジョージ・フィッツモーリス
主演:ルドルフ・ヴァレンチノ、ヴィルマ・バンキー、モンタギュー・ラヴ
世紀の美男子・ヴァレンチノの遺作にして最高傑作。ヴァレンチノが砂漠の族長を演じた『The Sheik』の続編で、族長の息子・アーメッドと盗賊の娘である踊り子・ヤスミンの恋物語。ヤスミンを誘拐した悪党一味の待つ砦に颯爽と乗り込み、鮮やかに恋人を奪い返す王子の姿はまさしく“世界の恋人”。風が吹き荒れる砂漠など、サイレントならではの幻想的で迫力ある映像が素晴らしい。【英語字幕】
『戦場よさらば(A Farewell to Arms)』
公開:1932年
監督:フランク・ボーゼージ
主演:ゲイリー・クーパー、ヘレン・ヘイズ、アドルフ・マンジュー
ヘミングウェイの原作の映画化。第一次大戦下、イタリア軍兵に志願したアメリカ人・フレデリックは、負傷して入院した野戦病院で看護婦のキャサリンと恋に落ちる。しかし、嫉妬にかられた上官が彼女を転勤させ…。日本公開当時、反戦的との理由で『武器よさらば』というタイトルが変更され、さらに様々な箇所がカットされた。
『怪人マブゼ博士(Das Testament des Dr.Mabuse)』
公開:1932年
監督:フリッツ・ラング
主演:ルドルフ・クライン=ロッゲ、オットー・ヴェルニック、グスタフ・ディーズル
偽札工場の黒幕を追うローマン警部の前に、精神病院に入院しているマブゼ博士の存在が浮かび上がる。病院に博士を訪れた警部は、彼がすでに死んでいたことを知るのだが、その後もマブゼと名乗る男によって博士が生前書き残したメモ通りに犯罪が実行され…。公開当時、ナチ政権によって上映禁止となった幻の作品。その後、ラング監督はアメリカへ亡命することになる。
『自由を我等に(À Nous La Liberté)』
公開:1931年
監督:ルネ・クレール
主演:アンリ・マルシャン、レイモン・コルディ、ポール・オリヴィエ・ロラ・フランス
大量生産時代を風刺し、チャップリンの『モダン・タイムス』に影響を与えたコメディの傑作。かつての囚人仲間のルイとエミール。ルイは露店のレコード売りから大蓄音機会社の社長へと出世し、エミールは偶然ルイの工場で働くことに…。すったもんだの末、自由が一番だと気づいた2人に、かつての友情が戻る。テーマ曲「自由を我等に」を始め楽しいオペレッタ・シーンが満載!
『我輩はカモである(Duck Soup)』
公開:1933年
監督:レオ・マッケリー
主演:グルーチョ・マルクス、チコ・マルクス、ハーポ・マルクス、ゼッポ・マルクス
ヨーロッパのある仮想国を舞台に繰り広げられる抱腹絶倒のスラップスティック・コメディ。女性大富豪の愛人となり、その後ろ盾で国の宰相となったグルーチョであったが、隣国がチコとハーポをスパイとして送り込んできたところからドタバタ劇が始まり…。ナチズムを予見させるような設定でありながら、それを徹底的に笑いのめしている。
『力と栄光(The Power and The Glory)』
公開:1933年
監督:ウィリアム・K・ハワード
主演:スペンサー・トレーシー、コリーン・ムーア、ラルフ・モーガン
鉄道王・ガーナーが死んだ。葬儀の後、彼の人生が回想される。ただの鉄道保安員だったガーナーは遂に鉄道王にまで登りつめるのだが、気がつくと家族の心は離れており…。キャラクターが過去を回想するに当って、あくまで現在の立場から話し続けるナラタージュは、後に『市民ケーン』や『裸足の伯爵夫人』などでも見られるが、実はプレストン・スタージェスがこの作品で初めて用いた手法である。
『四十二番街(The 42nd Street)』
公開:1933年
監督:ロイド・ベーコン
主演:ビービー・ダニエルズ、ジョージ・ブレント、ワーナー・バクスター
ディレクターと女性ダンサーたちがミュージカルを成功させるまでの、ショー・ビジネスの裏側を描いた作品。恋あり挫折ありの紆余曲折を経て、最後に一大レビュー・シーンを迎える。マントをまとった女性ダンサーたちが円形状の回転ステージの上に整列して華麗に舞うレビューは、バズビー・バークレーによる振り付けであり、当時のハリウッド・スタイルの頂点ともいえる名作である。
『歴史は夜作られる(History is Made at Night)』
公開:1937年
監督:フランク・ボゼージ
主演:シャルル・ボワイエ、ジーン・アーサー、レオ・キャリロ
アメリカの船舶王である夫の異常な嫉妬から逃れてパリに住むアイリーンは、窮地を救ってくれたホテルの給仕長・ポールを愛するようになる。しかしこれを知った夫は、殺しの罪をポールにかぶせ、アイリーンは夫の言いなりに帰国することに。後を追ってきたポールと共にパリに戻ることを決めたアイリーンだったが、怒り狂った夫は二人の乗った客船に危険な航行をするよう命じ…。
『間諜最後の日(Secret Agent)』
公開:1936年
監督:アルフレッド・ヒッチコック
主演:ジョン・ギールグッド、パーシー・マーモント、ピーター・ローレ
第一次大戦下、敵のスパイ暗殺の指令を受け、殺し屋“将軍”と共にスイスに向かった英国諜報部員のアシェンデン。しかし誤って無関係な観光客を殺したことから、事態は意外な方向に…。頭にパーマをかけて黒いドーランを塗り“将軍”を演じるピーター・ローレの怪演が光る。終盤のチョコレート工場での逃亡劇やクライマックスの列車転覆など、ヒッチコックならではのサスペンス・シーンも見どころ。
『君を呼ぶタンゴ(La Vida de Carlos Gardel)』
公開:1942年
監督:アルベルト・デ・サヴァリア
主演:ウーゴ・デル・カリル、デリカ・ガロエス
かつて世界的な名声をはせた歌手・カルロス・ガルデルの生涯の映画化で、主役は実際の人気歌手が演じている。テレサはまだ無名なカルロスと愛し合っていたが、他の女と関係を持った彼に絶望し姿を消す。やがて世界的な歌手となったカルロスを慕うあまり病気になったテレサは、ラジオで彼の歌声を聞きながら死に、カルロスもまた彼女の後を追うように飛行機事故で死ぬのであった。
『スイング・ホテル(Holiday Inn)』
公開:1942年
監督:マーク・サンドリッチ
主演:フレッド・アステア、ビング・クロスビー、マージェリー・レイノルズ
歌手のジムの婚約者・ライラは、ジムを裏切って彼の友人でダンサーのテッドと結婚。傷心のジムは都会を離れてコテージ「ホリディ・イン」を開業する。そこで芸人志望のリンダと出会いほのかな恋が芽生えるのだが、ライラに逃げられてホリディ・インにやってきたテッドもリンダに恋してしまい…。アーヴィング・バーリンの名曲を、ビング・クロスビーの甘い歌声とフレッド・アステアの華麗なダンスで彩った大ヒットミュージカル。
『山河遥かなり(The Search)』
公開:1947年
監督:フレッド・ジンネマン
主演:モンゴメリー・クリフト、イヴァン・ヤンドル、アリーン・マクマホン
アメリカ兵ラルフに拾われた少年カレルは、ナチスの収容所で母と生き別れになったという悲惨な体験から人に心を閉ざしていた。しかし、ラルフの優しさで次第に心を開いたカレルは母を捜す旅に出ようとする。一方、別れた母もまた息子を捜し求め…。戦争で不幸になった子供がGIによって救われるというヒューマン・ドラマ。
『悪魔の往く町(Nightmare Alley)』
公開:1947年
監督:エドマンド・グールディング
主演:タイロン・パワー、ジョーン・ブロンデル、コーリン・グレイ、ヘレン・ウォーカー
巡業ショーで客引きをする女たらしのスタントン。アル中の夫と占いをやっているジーナといい仲になり、彼らのかつての持ち芸・インチキ読心術の秘密を聞き出したスタントンは、結婚したモリーと二人で読心術を始めて大当たりを取る。そこへ現れた女性心理学者のリターの助けを得て、心霊術師として上流社会で成功を収めるのだが…。
『平和に生きる(Vivere in Pace)』
公開:1949年
監督:ルイジ・ザンパ
主演:アルド・ファブリッツィ、ミレーラ・モンティ、ジョン・キッツミラー
第2次大戦末期のドイツ占領下のイタリアの山村で暮らす豚飼いのティーニャ叔父さんは、孫たちが見つけた米軍脱走兵を匿う。徐々に家族と親しくなった2人だったが、ある夜ナチの監視兵ハンスが話し相手欲しさに訪ねてきて…。ロッセリーニやデ・シーカへと連なるイタリア・ネオリアリスモの先駆けともいうべき作品。
『シンガポール珍道中(Road to Singapore)』
公開:1950年
監督:ヴィクター・シャーツィンガー
主演:ビング・クロスビー、ボブ・ホープ、ドロシー・ラムーア、チャールズ・コバーン
ビング・クロスビー、ボブ・ホープ、ドロシー・ラムーアのトリオ主演による珍道中シリーズ第1作。船乗りのジョシュの父は船会社の社長。息子に跡を継がせ、ついでに結婚させようと画策するが、ジョシュはサッサと逃げ出して親友・エースと共に旅に出る。ところが、たどり着いたシンガポールで出会った踊り子を巡って、親友同士の恋のさや当てが始まり…。
『ミラノの奇蹟(Miracolo a Milano)』
公開:1951年
監督:ヴィットリオ・デ・シーカ
主演:フランチェスコ・ゴリザーノ、パオロ・ストッパ、エンマ・グラマティカ
ネオレアリズモの名匠デ・シーカによるメルヘン風刺譚。育ててくれたロロッタ婆さんの死後ミラノの街に放り出された捨て子のトトは、貧しい仲間とバラック部落を作るが、その土地から石油が出たからさあ大変!地主に追い立てられピンチのトトたち。そこへロロッタ婆さんの霊が現れ、望みを叶える鳩を与えてくれるが…。素朴な特撮も魅力的。【日本語吹替版】
『恋人を家に送って歩く道(Walking My Baby Back Home)』
公開:1953年
監督:ロイド・ベーコン
主演:ドナルド・オコナー、ジャネット・リー、バディ・ハケット
『雨に唄えば』で知られるドナルド・オコナーの素晴らしい歌とダンスが満載のミュージカル。オコナー演じる退役軍人は同じような仲間を集めてバンドを始めるが、全く受けない。しかたなく、バンドの歌手・クリス(ジャネット・リー)の叔父が主催する演芸ショーに参加することになる。ところが、それがきっかけでディキシーランド・ジャズの素晴らしさに気づき…。
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