近日上映予定
羽田澄子 生誕百年記念 福祉、芸術、ジェンダーを通して日本を描く
2026/06/13 ~ 2026/06/26
羽田澄子(1926-)
1926年、大連生まれ。自由学園卒。「岩波写真文庫」の編集から映画製作に転身し、『教室の子供たち』(羽仁進)などの助監督を経て、1957年『村の婦人学級』で監督デビュー。岩波映画で多くの作品を手がけた後、1977年に夫でプロデューサーである工藤充と初の自主映画『薄墨の桜』を完成、記録映画作家として新たな道を切り拓く。自由工房を拠点に、『早池峰の賦』(1982、芸術選奨文部大臣賞)や、『痴呆性老人の世界』(1986)、『歌舞伎役者 片岡仁左衛門』(1992-94)、『-元始、女性は太陽であった-平塚らいてうの生涯』(2001)、秋田県鷹巣町シリーズ(1997-2006)など話題作を次々に発表した。女性ドキュメンタリー監督のパイオニアである。
上映予定作品一覧(全13本)
『痴呆性老人の世界』
『女たちの証言-労働運動のなかの先駆的な女性たち-』
『―元始、女性は太陽であった― 平塚らいてうの生涯』
『山中常盤 牛若丸と常盤御前 母と子の物語』
『嗚呼 満蒙開拓団』
『角屋七郎兵衛の物語-ベトナムの日本人町-』
『薄墨の桜』
『古代の美』
『住民が選択した町の福祉』
『―続 住民が選択した町の福祉―問題はこれからです』
『あの鷹巣町のその後』
『あの鷹巣町のその後 続編』
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『早池峰の賦(186分/16mm)』
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上映スケジュール
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公開:1982年
監督:羽田澄子
柳田國男の「遠野物語」などで山岳信仰の地とされた岩手県北上山脈の早池峰山。そこで生まれた山伏神楽が、麓に住む人々の信仰心とともに代々受け継がれてきた様を追う。舞がとにかく素晴らしいのだが、それは近代的な舞踏とはかけ離れた祈祷であり、神を顕在化させる行為だ。伝統的曲り家を壊し、農業以外の職に就き、生活は変わっていくが、変わらないものがある。雪山を捉えたショット、秋山邦晴の音楽、巧みな構成も素晴らしい傑作。
©彼方舎
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『痴呆性老人の世界(83分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:1986年
監督:羽田澄子
認知症施設の老人たちを2年間にわたり捉え続けたドキュメンタリー。「記憶はなくしても人間性は残る」という言葉通り、老人たちを個人として描く姿勢は一貫しており、家族との生活を追うことで個々の人生が浮かび上がる。ただ、個人名が出てくるのは1人を除き全員女性。彼女らは施設の仕事を手伝い、手をつないでトイレに行き、炬燵でおしゃべりし、笑い、互いをケアしあう共同性を獲得している。
©記録映画保存センター
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『女たちの証言-労働運動のなかの先駆的な女性たち-(94分/16mm)』
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上映スケジュール
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公開:1996年
監督:羽田澄子
社会主義研究者の石堂清倫主催で開かれた、戦前戦後にかけて労働・社会主義運動に加わった女性たちの座談会を羽田が記録。彼女たちの闘いと生活が浮かび上がる。幼くして工場労働者になった女たちの体験は悲惨だが、そのナラティブは私的な領域まで及び笑いも溢れる。石堂氏の「平等を掲げる運動の中で、なぜ女性は家政婦、時には愛人扱いされ活躍できなかったのか」という問いは、今も続く家父長制の問題を露わにする。湯浅譲二と高橋アキによる音楽がカッコいい!
©彼方舎
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『―元始、女性は太陽であった― 平塚らいてうの生涯(140分/16mm)』
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上映スケジュール
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公開:2001年
監督:羽田澄子
日本の女性運動の先駆けであり、女性による文芸誌「青鞜」の「元始、女性は太陽であった」という宣言で知られる平塚らいてう。「その名を聞くとすべての女性の心に灯りがともる」と羽田監督は言う。生前の映像がほとんどない中、らいてうの生涯を資料や証言によって追う。文学的というしかない心中未遂事件、「青鞜」発刊、政治参加運動、反戦運動、母性保護と、自分の人生と共に思想も広がっていく。思想は私生活に及び、結婚制度に反対して入籍せず、子供も私生児として自分の戸籍に入れた。また、経済的にも家計を支えた。とにかくユニークで魅力的で頑固ならいてうの人間的魅力に溢れた作品!
©彼方舎
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『山中常盤 牛若丸と常盤御前 母と子の物語(100分/35mm)』
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上映スケジュール
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公開:2004年
監督:羽田澄子
出演:片岡京子
門外不出の12巻、全長150米にも及ぶ絵巻「山中常盤」を横スクロール、アップ、引きなどで撮影し、絵の中の人物が生き生きと動きだすような作品。また、絵巻と実景とフィクションを並列させ、作者と言われる岩佐又兵衛にもスポットを当てる。企画から12年かけて撮りあげた羽田澄子の執念の美術ドキュメンタリー。
©彼方舎
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『嗚呼 満蒙開拓団(120分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:2008年
監督:羽田澄子
自らも引揚げ者である羽田が、中国東北部・方正(ほうまさ)県で数千人の満州開拓民が亡くなった経緯を取材する。帰国を果たした人々へのインタビューから、終戦間際になっても入植の勧誘が続いていたのに、敗戦後は関東軍に見捨てられ悲惨な旅を強いられた事実が明らかになる。入植者となった農家の次男の実家は山奥の猫の額ほどの土地のみ。貧しさゆえの悲劇と、弱い者を平気で踏みつける権力の無残さが心を打つ。
©彼方舎
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『角屋七郎兵衛の物語-ベトナムの日本人町-(55分/16mm)』
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上映スケジュール
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公開:1995年
監督:羽田澄子
出演:中村充、日野直子
隆盛を誇った朱印船貿易で、東南アジア各地に広がっていった日本人たち。中でも有名だったベトナムのホイアンの日本人町を代表する存在だった角屋七郎兵衛の生涯を追う。鎖国後、国外に取り残された日本人貿易商たちの運命が悲しい。日本人の墓を大切に保存するベトナム人たちが映し出された後、太平洋戦争で占領した日本が200万人のベトナム人を飢餓に追いやったという事実が語られ、虚しさが極まる。
©彼方舎
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『薄墨の桜(42分/16mm)』
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上映スケジュール
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公開:1977年
監督:羽田澄子
岐阜県根尾川の上流にある推定樹齢千三百年とも言われる桜の古木。継体天皇のお手植えという伝説がある桜の歴史と、木を取り囲むように建った六軒の家の人々の日常を記録する。若い桜を接ぎ木することで生きながらえ、人気のない山麓で絢爛たる花をつける巨木。毎朝その桜に仏飯を供える人々の営み。まさに自然を神として生きてきた日本の歴史である。(『古代の美』と二本立て)
©彼方舎
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『古代の美(22分/16mm)』
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上映スケジュール
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公開:1958年
監督:羽田澄子
国立博物館所蔵の土器や土偶や武器、埴輪や装飾品を間近で映し出す。個々の器物と作られた時代背景の説明で、より魅力が伝わる作品。冒頭で縄文土器について語られるが、特異で現代アートに通じる魅力に衝撃を受ける。縄文にはまった人もそうでない人も、入門編として是非!(『薄墨の桜』と二本立て)
©記録映画保存センター
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『住民が選択した町の福祉(129分/16mm)』
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上映スケジュール
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公開:1997年
監督:羽田澄子
高齢化率22%の鷹巣町で民間出身の若い岩川町長が福祉の町作りに奔走する。ヘルパーの数を増やし24時間体制を確立。しかし町長と住民が求めるケアセンターを議会が否決。ついに町長を糾弾する百条委員会が開かれる。そして選挙(投票率なんと80~90%!)。町長は再選され、議会は町長派が半数になり、1票差でセンター設立が可決される。だが、本当に建設は進むのか!?続きは『問題はこれからです』で!
©彼方舎
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『―続 住民が選択した町の福祉―問題はこれからです(125分/16mm)』
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上映スケジュール
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公開:1999年
監督:羽田澄子
「ケアタウンたかのす」建設の様子と完成後の披露までを描いた続編。2000年からスタートする介護保険に対する反応や、反対の姿勢を崩さない議員の意見も取材している。全室個室、余裕のある人員配置などハイレベルな施設の見学会には市民が押しかける。町長を支持し住民参加で福祉を支えてきた住民たちも涙。さて、超高齢化を迎える地方で、この福祉サービスを維持・発展させることができるのか?
©彼方舎
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『あの鷹巣町のその後(180分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:2005年
監督:羽田澄子
『住民が選択した町の福祉』、『問題はこれからです』に続く、秋田県鷹巣町を取材した3作目。2003年、あれほど住民に支持されていた岩川氏落選の知らせに羽田が取材に駆け付ける。「福祉で町が潰れるぞ」、女性問題、怪文書…SNSがなくともフェイク・ニュースは口から口へ。さらに町村合併による補助金や利権など選挙はどこも変わらない。高福祉と住民参加行政という理想を成し遂げた鷹巣町は消え、北秋田市に変わる。認知症グループホームは廃止され、ケアタウンも民営化を迫られる。さて、住民の選択は正しかったのか?
©彼方舎
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『あの鷹巣町のその後 続編(59分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:2006年
監督:羽田澄子
北秋田市と新市長が誕生してから1年後の2006年、市議会議員選挙が行われ、議員71人が26人に絞られる。執拗に岩川町長を攻撃した議員はまさかの落選。福祉派が高得票を獲得するが…。町村合併によって、東京23区の倍の面積に3万数千の住民(高齢化率5割超え)態勢になった北秋田市。この状況を打開する術はあるのか。全ての住民が悩む。「かつて町長と住民が共に理想の福祉を実現させたという事実」を孫子に伝えたいと涙ぐむ老人。あれは一時の夢だったのだろうか…。
©彼方舎
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