近日上映予定
映画は女で作られる マックス・オフュルス特集
2026/03/21 ~ 2026/04/10
マックス・オフュルス Max Ophüls, 1902- 1957
ドイツ帝国生まれ。舞台から映画に進出、1931年に短編で監督デビュー。ユダヤ人であったオフュルスはナチス政権の成立でフランスに移り、第二次大戦の勃発でさらにアメリカに亡命。自身のメロドラマの集大成である『忘れじの面影』を作り上げる。1950年にフランスへ帰国し、『輪舞』でヴェネツィア国際映画祭脚本賞を受賞。その後『快楽』『たそがれの女心』など後期の代表作を発表した。『歴史は女で作られる』は8億フランもの製作費が投じられ、オフュルス唯一のカラー作品となった。1957年54歳で死去。製作中だった『モンパルナスの灯』はジャック・ベッケルによって完成された。
多くの作品において滑らかなカメラワークが特徴である。また、女性映画の巨匠と称されるように女性を主人公にした作品が多いことでも知られる。オーストリア、ドイツ、フランス、アメリカと越境を続け、演劇、オペラ、映画にコミットし、戦後フランスの花形監督となったが、その本質はウィーン的なロマンチシズムとアイロニーの混合である。後のヌーヴェルヴァーグの批評家たちから支持され、特にトリュフォーとは強い友情で結ばれた。
上映予定作品一覧(全17本)
『笑う相続人』
『永遠のガビー』
『ディヴィーヌ』
『優しい敵』
『金去りぬ』
『ヨシワラ』
『明日はない』
『マイエルリンクからサラエヴォへ』
『風雲児』
『忘れじの面影』
『無謀な瞬間』
『魅せられて』
『輪舞』
『快楽 』
『たそがれの女心』
『歴史は女で作られる』
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『恋愛三昧 Liebelei(84分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:1932年
監督:マックス・オフュルス
出演:マグダ・シュナイデル、ヴィルフガング・リーベネイネル、ルイーゼ・ウルリッヒ、ウィリ・エイヒベルガー
19世紀ウィーン。オペラグラス落下をきっかけに竜騎兵中尉フリッツとクリスティーネが恋に落ちる。そのころフリッツは男爵夫人との不倫関係を清算しようとしており…。シュニッツラーの戯曲の映像化だが、現実社会の制約や運命にはばまれた男女が死という形で結ばれるという、その後も繰り返されるテーマが早くも登場している。
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『笑う相続人 Lachende Erben(76分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:1933年
監督:マックス・オフュルス
出演:ハインツ・リューマン、マックス・アダルベルト、リエン・デイヤーズ、フリードリッヒ・エッテル
ワイン会社の営業マンのピーターが列車で一目惚れした女性はライバル会社の令嬢で…。会社に戻ると社長は急逝、遺言でピーターが相続人に指名されるも、一か月禁酒の条件が!遺産を狙う親戚とライバル会社令嬢は彼に酒を飲ませようと画策するが、という軽いコメディ。ピーターの監視役が、どうしようもない呑兵衛と犬なのが最高。
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『永遠のガビー La Signora Di Tutti(86分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:1934年
監督:マックス・オフュルス
出演:イザ・ミランダ、メモ・ベナッシ、タチアナ・パヴローヴァ、フリードリッヒ・ベンファー、ネリー・コラディ
父親の歪んだ教育や自らの美貌に翻弄された女性の悲劇。ガビーの自殺未遂を関係者に知らせるシーンなどの素早いカッティング、『無防備都市』のカメラマンであるウバルド・アラタの荒々しく鮮烈な撮影はオフュルス作品として新鮮。ラスト、虚像として愛される存在になったガビーが悲痛な余韻を残す、イタリアで撮られたシニカルな愛のドラマ。
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『ディヴィーヌ Divine(72分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:1935年
監督:マックス・オフュルス
出演:シモーヌ・ベリオ、ジョルジュ・リゴー、ジナ・マネス、フィリップ・エリア
パリの怪しげな劇場で踊り子になったマジメな田舎娘が、麻薬密売事件に巻き込まれる。稽古場から控え室まで舞台裏を自由自在に動くカメラはもちろん、田舎と都会、官能と無垢といった対立する概念を具現化する手法が素晴らしい。トリュフォーが仏時代のオフュルスのベストとした作品。
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『優しい敵 La Tendre Ennemie(64分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:1936年
監督:マックス・オフュルス
出演:シモーヌ・ベリオ、カトリーヌ・フォントネイ、ローラ・ディアナ、ジャクリーヌ・デ、ジョルジュ・ヴィトライ、リュシアン・ナット
屋敷は婚約式の真っ最中。好きな人がいる娘に、結婚は愛じゃないと説教する母。そこへ娘の父、母の初恋の人、愛人という3人の幽霊がやってくる。母のせいで死んだ男たちは想い出話をはじめ…。心優しい幽霊たちのユーモアと機知、オフュルス風の皮肉、特殊撮影や音楽の巧みな使い方も良い。愛すべき小品。
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『金去りぬ Komedie om geld(76分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:1936年
監督:マックス・オフュルス
出演:ヘルマン・ブーバー 、マテュー・ファン・エイスデン 、リーニ・オッテ、コル・ルイス 、エドウィン・グビンズ・ドゥーレンボス
マジメ銀行員が5万ポンドを紛失し首になる。ところが、住宅を扱う信託銀行が彼を社長に抜擢。その裏側には…。オランダでオフュルスが撮った金と倫理をめぐるコメディ。演劇性、動きまわるカメラなど、オフュルス的なテイストが見られる。詐欺師だが憎めない銀行員の義兄と彼の犬が魅力的。
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『ヨシワラ Yoshiwara(91分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:1937年
監督:マックス・オフュルス
出演:ピエール・リシャール=ウィルム、田中路子、早川雪洲、ローラン・トゥタン
お家のためにゲイシャになったお嬢様と生真面目ロシア海軍士官が東京・吉原で出会う。ゲイシャと将校が中学生のような恋をして破滅に突き進んでいくメロドラマで、そこに人力車夫(早川雪洲)のお嬢様への献身とスパイ騒動が絡む。早川雪洲の存在感は別格。「すべて俺が悪いんだ!ジュテーーム!」
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『明日はない Sans Lendemain(82分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:1939年
監督:マックス・オフュルス
出演:エドヴィージュ・フュイエール、ジョルジュ・リゴー、ダニエル・ルクールトア、マディ・ベリー、ミシェル・フランソワ
パリのキャバレーで働きながら息子を育てるエヴリーヌの前にカナダ時代の恋人が現れ…。マフィアを頼ってまで虚像を作り上げる自暴自棄な行動がエヴリーヌの深い絶望を表す。裸体を照らすステージのスポットライト、映画館で不吉な手紙が届く懐中電灯、「信じて」という言葉と共に戻る明かり。光と影を使った演出が素晴らしい。
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『マイエルリンクからサラエヴォへ De Mayerling à Sarajevo(95分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:1940年
監督:マックス・オフュルス
出演:エドヴィージュ・フュイエール、ジョン・ロッジ、エメ・クラリオン、ジャン・ウォルム、ジベール・ジル
オーストリア皇帝の長男が心中したマイエルリンク事件。次に皇位継承者となった甥のフェルディナンド大公が暗殺され、第一次大戦へとつながる。その歴史を背景に、大公とチェコ人ゾフィーの結婚に焦点を当てて描く。ゾフィーの知性と自己決定を描く女性映画であり、ラストのナレーションはユダヤ人としてドイツを去ったオフュルスの叫びにも聞こえる。暗殺シーンのロングのワンカットが凄い。
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『風雲児 The Exile(95分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:1947年
監督:マックス・オフュルス
出演:ダグラス・フェアバンクス・ジュニア、マリア・モンテス、パウラ・コーディー、ヘンリー・ダニエル、ナイジェル・ブルース
クロムウェルらによる清教徒革命で英国を追われオランダに亡命したチャールズ2世は、刺客による執拗な追跡を受け…。ダグラス・フェアバンクス・ジュニアが製作、主演、脚本を担当した冒険活劇。剣術とアクロバットに加え、匿ってくれた女性との恋も描かれる。美しい撮影と舞台設計、オランダと英国の対比など、見所が盛りだくさん。
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『忘れじの面影 Letter from an Unknown Woman(87分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:1948年
監督:マックス・オフュルス
出演:ジョーン・フォンテイン、ルイ・ジュールダン、マディ・クリスチャンス、マルセル・ジュルネ、アート・スミス
19世紀末ウィーン。今は零落したピアニストの元に、見知らぬ女からの手紙が届き…。初恋の男を生涯思い続ける女のひたむきな想いを描いたビターなメロドラマ。オフュルスの巧みな語り口と流麗なカメラ、そして薄幸の美女を演じるジョーン・フォンテインが忘れ難い。
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『無謀な瞬間 The Reckless Moment(82分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:1949年
監督:マックス・オフュルス
出演:ジェームズ・メイソン、ジョーン・ベネット、ジェラルディン・ブルックス、ヘンリー・オニール、シェパード・ストラドウィック、デヴィッド・ベア、ロイ・ロバーツ
恋人を殺した娘を庇うため死体を捨てた母。捜査が始まる中、1人の男が娘の恋文をネタに強請りにやってくる。夫は長期出張でクリスマス直前。家族の囚人のような主婦ジョーン・ベネットと道を外れたジェームズ・メイスンという周辺に置かれた者たちの共感が生まれる。家と外を行き来するベネットのようにノワールとメロドラマが交差する。動きまわる2人の完璧な動線設計と、それを追うカメラが素晴らしい傑作。
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『魅せられて Caught(88分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:1949年
監督:マックス・オフュルス
出演:ジェームズ・メイソン、バーバラ・ベル・ゲデス、ロバート・ライアン、フランク・ファーガソン、クルト・ボワ、ルース・ブレイディ、ナタリー・シェイファー、アート・スミス
玉の輿を夢見る田舎娘が結婚した男は異常性格者だった!家出して自立しようと彼女は努力を重ねるが…。ハワード・ヒューズがモデルとされる夫役にロバート・ライアン、妻が働くクリニックの医師にジェームズ・メイソン、薄幸そうな妻にバーバラ・ベル・ゲデス、それぞれがはまり役。移動しながらの長回しは健在。ヒューズの検閲でかなりの部分がカットされたというが、ラストの強引なハッピーエンドには驚愕。
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『輪舞 La Ronde(93分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:1950年
監督:マックス・オフュルス
出演:ダニエル・ジェラン、シモーヌ・シニョレ、ダニエル・ダリュー、アントン・ウォルブルック、セルジュ・レジアニ、シモーヌ・シモン、ジェラール・フィリップ
シュニッツラーの戯曲『ラ・ロンド』の映画化。1900年のウィーンを舞台に狂言回しが10の恋のエピソードを語る。娼婦は兵隊に出会い恋するが、兵隊は小間使いを手に入れようとし、小間使いは…。めくるめく恋の輪舞はまわり続ける。フランス映画界の煌びやかなスターの美しさは光り輝くばかり。キューブリックやベルトルッチに影響を与えたといわれるカメラワークも見どころ。
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『快楽 Le Plaisir(97分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:1952年
監督:マックス・オフュルス
出演:クロード・ドーファン、ギャビー・モルレー、マドレーヌ・ルノー、ダニエル・ダリュー、シモーヌ・シモン、ダニエル・ジェラン、ジャン・ギャバン
モーパッサンの短編を3話仕立てのオムニバス形式で映画化。オフュルスの洗練された演出とこだわりぬいた構図に目がくらむ。ダンスホールに分け入り、窓から屋敷を覗き込み、階段の光と影を映し出すカメラ!トリュフォーやドゥミなどヌーヴェルヴァーグの監督達もオマージュを捧げる傑作。
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『たそがれの女心 Madame de…(101分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:1953年
監督:マックス・オフュルス
出演:ダニエル・ダリュー、シャルル・ボワイエ、ヴィットリオ・デ・シーカ、ジャン・ドビュクール
夫に内緒の借金を返すため、結婚記念の耳飾りをひそかに売り払った貴婦人。真相を見抜いた夫はそれを買戻し…。耳飾りに翻弄されるように、恋人たちの運命も踊る。嘘と駆け引きで彩られた大人たちの恋愛遊戯をオフュルスが華麗に描く。シャルル・ボワイエとデ・シーカの間で揺れるダニエル・ダリューの代表作。
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『歴史は女で作られる Lola Montès(114分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:1955年
監督:マックス・オフュルス
出演:マルティーヌ・キャロル、ピーター・ユスティノフ、アントン・ウォルブルック、アンリ・ギゾール
19世紀に実在した踊り子で高級娼婦のローラ・モンテスは、最後にたどり着いたサーカスで見世物になるが…。芸術家や政治家など男を渡り歩き、遂にルートヴィヒ1世の愛人となったローラの栄光と孤独を、極彩色のセットと長い移動撮影で絵巻物のように描くオフュルスの遺作。男性中心社会で運命を切り拓いた女性の行き着く果てが凄まじい。入りが悪く製作者にフィルムをズタズタにされたオフュルスは、ほどなく失意のうちに亡くなる。“呪われた映画”。
新着情報
一覧を見る- 2026/01/31
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- 上映素材について
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- 2025/12/30
- チラシ情報訂正のお詫び
- 2025/11/06
- 特集「アメリカ、無情の世界 リチャード・フライシャー&ジョセフ・H・ルイス」トークショーのお知らせ
- 2025/10/10
- 特集「帰ってきた!新東宝のディープな世界」のフィルム状態について
- 2025/10/08
- 特集「三島由紀夫生誕百年記念」トークショーのお知らせ
- 2025/10/01
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- 2025/09/19
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