近日上映予定
蓮實重彦著「日本映画のために」刊行記念特集
2025/09/20 ~ 2025/10/10
サイレントから近年作まで、著名な傑作からレアな短編まで。
「日本映画のために」の著作中で論じられている作品を中心に上映します。
本を片手に素晴らしい日本映画をスクリーンで!
▼特別上映①
『ビューティフル・ニュー・ベイエリア・プロジェクト』+『Actually…』
『赤ずきん』+『FUGAKU1/犬小屋のゾンビ』
料金:1300円均一・ポイント鑑賞不可
▼特別上映②
『東京の女性』
『暴れん坊街道』
『残菊物語』
協力:国立映画アーカイブ
料金:1300円均一・ポイント鑑賞不可
※各回入替制、当日券のみ(チケットは当館受付にて販売)
▼関連書籍
蓮實重彦著「日本映画のために」(岩波書店・9月17日発売予定)
日本映画を(偏)愛するすべての者達へ――。
四十年にわたる諸論稿の集大成にして、いま「第三の黄金時代」にある日本映画界を祝福する、大いなる学術的遺産。書下ろしの「内田吐夢論」を収録。
上映予定作品一覧(全29本)
『東京の女』
『東京の合唱(コーラス)』
『河内山宗俊』
『雪夫人絵図』
『高原の駅よ さようなら』
『やくざ囃子』
『妖刀物語 花の吉原百人斬り』
『日本の夜と霧』
『悪太郎』
『893愚連隊』
『座頭市血煙り街道』
『圧殺の森 高崎経済大学闘争の記録』
『野菊の墓』
『阿賀に生きる』
『893タクシー』
『やくたたず』
『4』
『マイムレッスン』
『Playback』
『the place named』
『春、阿賀の岸辺にて』
『東京の女性』
『残菊物語』
『暴れん坊街道』
『ビューティフル・ニュー・ベイエリア・プロジェクト』
『Actually…』
『赤ずきん Le Petit Chaperon Rouge』
『FUGAKU1/犬小屋のゾンビ』
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『その夜の妻(65分/35㎜)』
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上映スケジュール
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公開:1930年
監督:小津安二郎
出演:岡田時彦、八雲惠美子、市村美津子、山本冬郷、斉藤達雄
病気の娘の治療のため銀行強盗に手を染めた男、その妻、夫を追う刑事の一夜。受話器や拳銃を持つ、ガラスに付いた跡など手のクローズアップが頻繁に映し出される。そして着物姿で両手に拳銃を持ち刑事に突きつける“その夜の妻”!省略と素早い展開によって完璧な時間で完結するフィルム・ノワールの傑作。※『東京の女』と二本立て
©1930松竹株式会社
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『東京の女(46分/35㎜)』
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上映スケジュール
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公開:1933年
監督:小津安二郎
出演:岡田嘉子、江川宇礼雄、田中絹代、奈良真養
二人だけで暮らす岡田嘉子と江川の姉弟。姉が自分のため夜の女になった事実に耐えられない弟の脆弱さと、全く恥じることのない姉の強さ。狭い室内でカットを刻み、ヤカンの湯気や無数の時計が不穏な時間の経過を示す。影のショットの不気味さ、ラストの電柱が続く横移動の怖さ。幽霊を映してるような映画。※『その夜の妻』と二本立て
©1933松竹株式会社
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『東京の合唱(コーラス)(90分/35㎜)』
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上映スケジュール
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公開:1931年
監督:小津安二郎
出演:岡田時彦、八雲恵美子、菅原秀雄、高峰秀子、斉藤達雄、飯田蝶子
友人の不当解雇に抗議して自分もクビになった岡田時彦は、恩師が経営する食堂「カロリー軒」を手伝うが…。不況下の失業都市東京にあっては大学出も意味がない。やっと地方に職を得て「また東京に戻れるさ」と慰めあう夫婦。子供たちとの手遊びの楽しさと将来への不安が交錯するシーンが素晴らしい。そしてサイレントなのに声が聞こえるような同級生たちの大合唱!
©1931松竹株式会社
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『河内山宗俊(82分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:1936年
監督:山中貞雄
出演:河原崎長十郎、中村翫右衛門、市川扇升、山岸しづ江、助高屋助蔵、清川荘司、坂東調右衛門、市川莚司(のちに加東大介)、原節子、衣笠淳子、三好文江
二人のヤクザ者が、弟の借金のかたに身売りすることになった甘酒屋の娘・お波を救うため仕組んだ大芝居とは…。実在の人物・河内山宗俊を主役にすえた、天才・山中貞雄による粋で洒脱な傑作。いい年をした男たちが命を投げ出して救おうとする清純可憐なお波役を探していた山中が発見したのが、当時まだ15才の原節子だった。
©日活
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『雪夫人絵図(86分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:1950年
監督:溝口健二
出演:木暮実千代、上原謙、柳永二郎、久我美子、浜田百合子、山村聡、夏川静江、浦辺粂子、加藤春哉、田中春男、小森敏、石川冷、水城四郎
旧華族の木暮実千代は夫から自立しようと旅館を始めるが…。ゲスな夫と必死に別れようとするも叶わない木暮の姿は、戦後の物質主義に蹂躙される古い階級そのものだ。風呂の湯の煌めき、畳に落ちる般若の帯締め、落下する花、高原にかかる霧。すべてのショットが息をのむ美しさ。
©国際放映
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『高原の駅よ さようなら(76分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:1951年
監督:中川信夫
出演:水島道太郎、香川京子、柳永二郎、相馬千恵子、田崎潤、南条秋子、岡村文子、小畑実
結核療養所を訪ねた植物学者の野村と看護婦のユキは互いに好意を持つが、彼には恩師の娘との縁談が…。同名ヒット曲を映画化した歌謡メロドラマながら、信濃追分の広々した高原の奥から馬車がやってくるショットはハリウッド的というしかない。そして野村の乗った馬車を馬で追いかけ、遂に愛を獲得するユキの現代性は香川京子にぴったり。
©国際放映
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『やくざ囃子(88分/35㎜)』
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上映スケジュール
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公開:1954年
監督:マキノ雅弘
出演:鶴田浩二、岡田茉莉子、河津清三郎、花柳小菊、田崎潤、田中春男
しがねえヤクザの鶴田浩二は、船で介抱した娘(岡田茉莉子)の面影が忘れられず…歌いながらチンピラを撫で斬りにしていく鶴田、「好き、大好き、惚れたわ」と連呼する岡田に見惚れる一作。屋根の上に乗った笠、霧が立ちこめる藪の中での逢瀬場面も素晴らしい。マキノは本作品と『次郎長三国志 荒神山』を同時に撮影していた。
©TOHO CO., LTD.
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『妖刀物語 花の吉原百人斬り(109分/35㎜)』
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上映スケジュール
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公開:1960年
監督:内田吐夢
出演:片岡千恵蔵、水谷良重、木村功、山東昭子、千原しのぶ、沢村貞子、花柳小菊
顔に痣のある真面目な商人の千恵蔵が、初めて相手をしてくれた岡場所あがりの遊女に入れ込み…。花火、屋形船、遊郭、群集とスタジオの力を思い知らされる画面構成が凄い。翻弄され辱められた千恵蔵が、全てを解放し吉原という魔物に刃をふるう。太夫に昇りつめた花魁道中に散るは桜の花吹雪。雅楽の音色が響く中の妖刀乱舞が、ただただ素晴らしい。
©東映
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『日本の夜と霧(107分/35㎜)』
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上映スケジュール
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公開:1960年
監督:大島渚
出演:桑野みゆき、津川雅彦、小山明子、渡辺文雄、芥川比呂志、氏家慎子、吉沢京夫、佐藤慶、戸浦六宏、速水一郎
安保闘争の最中に行われた野沢と玲子の結婚式に、逮捕状の出ている太田が乱入。全学連仲間の過去が次々と暴かれていき…。式場での議論によって物語が展開していく、一種の舞台劇のような演出が斬新。公開四日目にして上映打ち切りとなった問題作で、大島渚が松竹を退社するきっかけともなった。
©1960松竹株式会社
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『悪太郎(95分/35㎜)』
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上映スケジュール
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公開:1963年
監督:鈴木清順
出演:山内賢、和泉雅子、田代みどり、久里千春、杉山元、野呂圭介、高峰三枝子、芦田伸介、小島和夫、木下雅弘、横田陽子
大正初期、素行が悪すぎて田舎に預けられた山内賢が医者の娘・和泉雅子に恋をする。川を移動する船、川辺を走る二台の人力車などシネスコを活かしたシーンを中心に川や水を印象的に映している。モノクロでありながら色を感じさせるような大正浪漫であり、清順憧れの高峰三枝子の存在もあり大船調が感じられる。
©日活
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『893愚連隊(89分/35㎜)』
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上映スケジュール
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公開:1966年
監督:中島貞夫
出演:松方弘樹、天知茂、高松英郎、三島ゆり子、稲野和子、ケン・サンダース、荒木一郎 、近藤正臣、桑原幸子、宮園純子、南都雄二、小島慶四郎、藤岡琢也、広瀬義宣、待田京介、遠藤辰雄、潮健児
白タク、カツアゲ、美人局、何でもありのチンピラ3人組“893愚連隊”。組織を嫌い民主主義を掲げて京都の盛り場をうろつく彼らが、暴力団相手に大勝負に出る。小悪党たちの青春群像劇を、クールでモダンな演出で描く中島貞夫初期の傑作。「粋がったらあかん。ネチョネチョ生きとるこっちゃ」という台詞に、王道任侠路線への批評が見える。
©東映
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『座頭市血煙り街道(87分/35㎜)』
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上映スケジュール
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公開:1967年
監督:三隅研次
出演:勝新太郎、近衛十四郎、高田美和、朝丘雪路、中尾ミエ、坪内ミキ子、伊藤孝雄、小池朝雄、小沢栄太郎、松村達雄、田武謙三、磯村みどり、なべおさみ
なんの因果か、母を亡くした良太を連れて父親探しの旅へ出ることになった市は…。特筆すべきは、ラストのカツシンと近衛十四郎との決闘シーン。アドリブだというのが信じられない二人の神業的対決、そこに三隅研次監督が降らせた雪は、息を呑む圧倒的美しさ。座頭市シリーズ中でも傑作の呼び声高い第17作。
©KADOKAWA1967
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『圧殺の森 高崎経済大学闘争の記録(105分/16mm)』
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上映スケジュール
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公開:1967年
監督:小川紳介
不正入試問題で火がついた高崎経済大学の学生闘争ドキュメンタリー。退学処分という切り札を使い不安と分断を図る大学側との八方ふさがりの闘争を、学生側内部にカメラを持ち込んで撮った貴重な記録。息抜きしたい仲間や新聞部、果ては守衛まで攻め立てる彼らの行為と、自分に酔ったような議論のための議論。自己目的化した闘争と反権力というあり方が、学生運動の断末魔を予感させる。
©映画美学校
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『野菊の墓(91分/35㎜)』
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上映スケジュール
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公開:1981年
監督:澤井信一郎
出演:松田聖子、桑原正、加藤治子、樹木希林、白川和子、北城真記子、叶和貴子、愛川欽也、常田富士男、武内文平、沢竜二、湯原昌幸、赤座美代子、村井国夫、島田正吾、丹波哲郎
有名な悲恋物語を松田聖子主演で撮ったアイドル映画だが、澤井信一郎監督デビュー作にして古典的映像に溢れた格調高い名作に仕上がっている。冒頭の舟の交差、山を歩く二人、視線の交差などのショットの冴え!雄大なロケーションに呼応するような豊かなカメラワークも素晴らしい。
©東映
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『阿賀に生きる(115分/16㎜ )』
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上映スケジュール
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公開:1992年
監督:佐藤真
出演:長谷川芳男、長谷川ミヤエ、遠藤武、遠藤ミキ、加藤作二、加藤キソ、旗野秀人
三年間地域に住みこんだ佐藤真監督とスタッフが、阿賀野川とともに生きる人々と集落社会を映し続けた圧巻の傑作。原風景のような自然と豊かでユニークな人間の営みに忍び寄る新潟水俣病。公害病裁判を戦いながらも「ここを離れては暮らせない」人々の切実さがフィルムに刻まれる。「酒が美味かった。仲間がいて美味かった…」。
©阿賀に生きる製作委員会
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『893タクシー(79分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:1994年
監督:黒沢清
出演:豊原功補、森崎めぐみ、上田耕一、黒沼弘巳、大森嘉之、諏訪太郎、大杉漣、寺島進
謳い文句は「前科はあっても免許なし」。タクシー会社の危機を救わんと、ヤクザの面々が運転手になって悪戦苦闘。Vシネゆえの自由さと軽さが素晴らしいスラップスティック快作。助監督に名を連ねるは青山真治。
©Softgarage
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『やくたたず(76分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:2010年
監督:三宅唱
出演:柴田貴哉、玉井英棋、山段智昭、片方一予、櫛野剛一、足立智充、南利雄
高校卒業を控えたテツオたち3人は、先輩が勤める地元の防犯警備会社でバイトを始めるが…。一面雪に覆われた北海道を舞台に、ボンクラ高校生の日常と仕事、そして彼らが巻き込まれる思わぬ事件を、ザラついたモノクロームで捉えた青春群像。村上淳、加瀬亮などの俳優に絶賛された、三宅唱の恐るべき初長編。この映画から傑作『Playback』が生まれた。
©MIYAKE Sho
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『4(19分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:2005年
監督:三宅唱
出演:平井雅史、伊藤彰恵、古賀靖教、Corina Delia Dobre
ホテルの同じ部屋で過ごす4人の男女の室内劇。方言を含む多言語、人物の出入りを通して、空間の所有者と訪問者など人物関係の勾配や関係をうまく見せている。遠距離恋愛中の2人と世界旅行中の2人の会話が部屋と外部をリアルにつなげる。
©MIYAKE Sho
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『マイムレッスン(10分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:2006年
監督:三宅唱
出演:伊藤彰恵、朽木正伸、村岡大介
パントマイムのステージを終えた2人の男とマネージャー的な女。男たちの言葉のミラーリング、白塗りした女が窓ガラス越しに始める男とのパントマイム。現在まで続く鏡のモチーフが随所に現れる。自転車の男女二人乗りからの一連の印象的な場面もにもハッとさせられる。
©MIYAKE Sho
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『Playback(113分/35mm)』
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上映スケジュール
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公開:2012年
監督:三宅唱
出演:村上淳、渋川清彦、三浦誠己、河井青葉、山本浩司、テイ龍進、汐見ゆかり、小林ユウキチ、渡辺真起子、菅田俊
40歳を前にして人生下り坂の映画俳優ハジ。そんなとき、昔の同級生から「今日、結婚式だろ」と声をかけられ…。過去と現代、夢と現実が入り混じり、繰り返される時間の中で、ハジは何度でも生き直す…。美しいモノクローム映像と緻密な構図、そしてスケボーに乗る村上淳と三宅監督のセッションが作り出す奇跡の瞬間。世界を驚かせた、スタイリッシュにしてノスタルジックな傑作。
©2012 Decade,Pigdom
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『the place named(36分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:2012年
監督:小森はるか
出演:原麻理子、遠藤麻衣、栗原たづ、西山朱子
東日本大震災の後に撮った小森の初監督作。戯曲『わが町』の稽古をする役者たちと教師らしき女性が交互に描かれる。暗闇で光る赤いライトで照らされる西瓜や列車が抜けるトンネルを正面から捉えたショットが印象的。生者と死者の間の揺らぎ、フィクションとドキュメンタリーの境界を超えていくことの試み。
©Komori Haruka
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『春、阿賀の岸辺にて(64分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:2025年
監督:小森はるか
出演:旗野秀人、小林千華子、冥途会のみなさん、追悼集会に参加されたみなさん
『阿賀に生きる』時代から「新潟水俣病未認定患者の会」事務局を担ってきた旗野さんの現在の活動と日常、そして地域の現状を捉えた記録。かつての原告たちは皆この世を去ったが、死は別れではない。今も続く『阿賀に生きる』出演者追悼集会「阿賀の岸辺にて」に集う人々と共に死者もある。佐藤真から受け継がれるもの。小森はるかの新作。
©Komori Haruka
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『東京の女性(82分/35mm)』
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上映スケジュール
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公開:1939年
監督:伏水修
出演:原節子、江波和子、藤輪欣司、水町庸子、立松晃、水上怜子、外松良一、柏原徹、鳥羽陽之助
家族を支えるため車のセールスマンに転身した原節子が味わう受難と成長。同僚(全員男)の嫌がらせは陰惨を極め、恋人は原の力量に怖気づいて彼女の妹と結婚。冒頭の男たちの腑抜けパンチに比べ、原が妹をビンタする本気度を見よ!元彼と妹の結婚式の後、車を運転しながら浮かべる原の笑顔が素晴らしい。1939年の東京の全てがモダンでカッコよすぎるため、戦争がなかったらと考えずにいられない作品でもある。
©TOHO CO., LTD.
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『残菊物語(143分/35mm)』
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上映スケジュール
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公開:1939年
監督:溝口健二
出演:花柳章太郎、森赫子、河原崎権十郎、梅村蓉子、高田浩吉、嵐徳三郎、川浪良太郎、高松錦之助、葉山純之輔、尾上多見太郎、花柳喜章、志賀廼家弁慶、結城一朗、南光明、天野刃一、井上晴夫
歌舞伎の名家の跡取り・菊之助は、芸の未熟を指摘してくれる使用人のお徳に惹かれるが…。ロングショットと長回しが徹底され、森赫子の表情が曖昧ゆえに彼女の声が前景化する。男ではなく芸に身を捧げた女の覚悟と意地の物語であり、ラストで船に乗り込む菊之助が頭を垂れる。映画史上に燦然と輝く傑作をフィルムで是非。
©1939松竹株式会社
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『暴れん坊街道(95分/35mm)』
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上映スケジュール
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公開:1957年
監督:内田吐夢
出演:薄田研二、松浦築枝、佐野周二、山田五十鈴、植木基晴、毛利菊枝、藤井珠美、高堂国典、堀正夫、千原しのぶ、進藤英太郎、高松錦之助
家老の娘・山田五十鈴は佐野周二と恋仲になり子を産むが…。姫の乳母となった五十鈴と、里親に捨てられ馬子になった息子(千恵蔵の息子の植木基晴が演じる)、浪人になった佐野の運命の糸が縺れていく。本当は親に愛される子供でいたいのに、それを意地でも口にしない植木の感情に胸を抉られる。死を媒介にして遂に三人が再会するクレーンショットに圧倒される。
©東映
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『ビューティフル・ニュー・ベイエリア・プロジェクト(29分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:2013年
監督:黒沢清
出演:三田真央、柄本佑、森下じんせい
湾岸地帯の再開発を狙う会社社長が港湾労働者の高子に一目惚れするが…。次々現れる敵と高子の戦いに突入する怒涛の展開から目が離せない! 黒沢清初のアクション映画にしてシネスコ作品。
©Hong Kong International Film Festival Society, Youku.com
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『Actually…(24分/デジタル)』
- 上映スケジュール
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公開:2022年
監督:黒沢清
ショートドラマを含む乃木坂46のMV。メンバーの実名を使った会話劇で、同質集団の中で否応なく発生する異端排除を描いている。黒沢清が『回路』の続編と語っているように、全篇ジンワリ怖い。ほぼ室内劇だが、中西アルノがビルにどんどん昇っていくシーンが印象的。
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『赤ずきん Le Petit Chaperon Rouge(35分/35mm)』
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上映スケジュール
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公開:2008年
監督:青山真治
出演:ルー・カステル、ジュディット・セムラ
青山真治がフランスで撮った軽やかで美しい作品。室内で乗り回す自転車、使われることのない銃とダイナマイト。どこかに向かってセーヌ川を進んでいく船と横たわる女、そして通り過ぎる橋。ゴダールやヴィゴを想起させつつ、素晴らしい青山真治のカットを堪能できる。
©Naoko Tamura
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『FUGAKU1/犬小屋のゾンビ(31分/デジタル)』
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上映スケジュール
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公開:2013年
監督:青山真治
出演:山本圭祐、足立理、林陽里、秋草瑠衣子、あおやましんじ、赤塚実奈子、松㟢翔平、椎名琴音、大河原恵、濱野風花
多摩美の学生達と共に撮った作品。植物状態の娘を甦らせるため映写技師を呼んだピカピカ教授(青山真治が演じる)。娘が映画の力で救われるような、そして生者と死者の境を超えるようなラストのダンスシーンはまるで夢だ。『ゴダールのリア王』をはじめとする映画の記憶の集合であり、瑞々しさに満ちている。
©Miner League
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- 2025/07/21
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