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蓮實重彦セレクション 二十一世紀のジョン・フォードPartⅠ
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2022/07/23 ~ 2022/08/19
『ジョン・フォード論』刊行記念特集
ーーフォードを、断乎、観るのだ 蓮實重彦
◆トーク付上映『香も高きケンタッキー』は均一料金2,500円(ポイント加算・ポイント鑑賞不可)
◆特別上映『捜索者』『リバティ・バランスを射った男』『荒野の女たち』は均一料金1,600円(ポイント鑑賞不可)
※『果てなき船路』のみ35mm 他作品デジタル上映
『誉の名手 Straight Shooting(72分)』-
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公開:
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1917年
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監督:
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ジャック・フォード
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出演:
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ハリー・ケリー、デューク・リー、ジョージ・ベレル、モリー・マローン、テッド・ブルークス、フート・ギブスン、ミルトン・ブラウン、ヴェスター・ペグ
苦労して入植し生活を築いた者たちを追い出そうと企む牧場主たちは、お尋ね者の“シャイアン・ハリー”を雇って汚い仕事をさせようとするが…。ユニヴァーサル時代のフォード作品で現在観ることができる最も古い作品。有名な籠城戦の緊張感、ロングショットでとらえた馬たちの躍動感、そして木の下で寄り添う男女。馬を操る名人であったハリー・ケリーが河を渡って愛する娘の家へ向かうシーンが何とも素晴らしい。
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『砂に埋れて Hell Bent(53分)』-
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公開:
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1918年
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監督:
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ジャック・フォード
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出演:
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ハリー・ケリー、デューク・リー、ネヴァ・ガーバー、ヴェスター・ペグ、ジョー・ハリス、M・K・ウィルソン
絵の中の人物が動きだす冒頭がオシャレ。流れ者のハリー・ケリーが町を牛耳る強盗団のボスに挑む。ダンスホールやホテルの部屋へ闖入するときも、常に一緒のハリーと馬の相棒ぶりをご覧あれ。ボスに攫われた愛する女性を追って砂漠に足を踏み入れるハリー。銃撃戦と凄まじい砂嵐など見どころ満載。ホテルの部屋を奪い合ったでデューク・リーとの友情に泣く。
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『アイアン・ホース The Iron Horse(150分)』-
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公開:
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1924年
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監督:
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ジョン・フォード
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出演:
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ジョージ・オブライエン、マッジ・ベラミー、シリル・チャドウィック、フレッド・コーラー、グラディス・ヒューレット、J・ファレル・マクドナルド
困難を極めた1860年代の大陸横断鉄道敷設に、測量士の父を殺された青年の復讐と恋愛を絡めて描いた壮大な叙事詩。ネバダの砂漠に人工の町を建設し、膨大な数のエキストラと動物を投入した大迫力の映像は必見。近づいてくる機関車を線路から撮った映像も凄い。ジョン・フォード自身が最も好きな映画だと語った一本で、本作によって一流監督の仲間入りを果たした。
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『四人の息子 Four Sons(96分)』-
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公開:
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1928年
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監督:
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ジョン・フォード
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出演:
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ジェームズ・ホール、マーガレット・マン、アール・フォックス、チャールズ・モートン、フランシス・X・ブッシュマン・Jr、ジョージ・ミーカー
バイエルンで四人の息子と幸せに暮らす未亡人。しかし第一次大戦が始まると、息子の一人は自由を求めて渡米し、他の三人は徴兵されてしまう。そして次々に息子の戦死の報せが届き…。フォードのサイレント期の代表作の1本で、ドイツを舞台に描いた反戦色の強い母子ドラマ。戦死の通知を届けに来る郵便配達人と犬のコンビが未亡人の悲しみを思いやる場面も印象的。
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『血涙の志士 Hangman’s House(71分)』-
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公開:
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1928年
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監督:
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ジョン・フォード
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出演:
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ヴィクター・マクラグレン、ジューン・コリアー、ラリー・ケント、アール・フォックス、ホバート・ボスウォース、ジョセフ・バーク、エリック・メイン、ジョン・ウェイン
1920年代、イギリス統治下にあったアイルランド苦難の時代が舞台。大勢を縛り首にして出世した判事の娘が結婚させられる男の正体とは!? ジョン・フォードには珍しい特殊合成を使った幻想シーンや、生き生きとした動物たちの描写が楽しめる傑作サイレント。特に競馬シーンはボグダノヴィッチが『静かなる男』を超えると称えた素晴らしさ。
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『最敬礼 Salute(84分)』-
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公開:
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1929年
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監督:
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ジョン・フォード
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出演:
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ジョージ・オブライエン、ヘレン・チャンドラー、ステピン・フェチェット、ウィリアム・ジェイニー、フランク・アルバートソン、ジョイス・コンプトン、クリフォード・デンプシー、ラムスデン・ヘイア、デヴィッド・バトラー、レックス・ベル、ウォード・ボンド、ジョン・ブリーデン、ジョン・ウェイン
兄は陸軍士官学校のヒーローで、弟は海軍兵学校に入学間近。代々軍人という家系に生まれた兄弟の姿を描く。スポーツ万能でフットボールのスターの兄に比べられ、期待される弟の肩身の狭さ。そして思いを寄せる女性もまた兄が攫っていってしまうのか!? クライマックスのフットボール対戦に恋の闘いも絡んだ爽やかな作品。画質が良くないことをご了承の上ご覧ください。
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『大空の闘士 Air Mai(85分)』-
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公開:
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1932年
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監督:
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ジョン・フォード
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出演:
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ラルフ・ベラミー、パット・オブライエン、ラッセル・ホプトン、スリム・サマーヴィル、グロリア・スチュワート、リリアン・ボンド、ウィリアム・ダリー、フランク・アルバートソン、レスリー・フェントン、トーマス・カリガン、ハンス・ファーバーグ、デイヴィッド・ランドー
航空便を届けるために命をかける飛行機乗りたちの話。ホークスの『無限の青空』『コンドル』と同じテーマで、特に『コンドル』とは抜群の腕を持つ流れ者のパイロット、悪天候の中でも飛ぼうとする男を引き留めるヒロインなど構造が似ている。撮影はカール・フロイントで、豪雨のシーンの素晴らしさに魅せられる一作。
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『戦争と母性 Pilgrimage(96分)』-
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公開:
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1933年
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監督:
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ジョン・フォード
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出演:
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ヘンリエッタ・クロスマン、ヘザー・エンジェル、ノーマン・フォスター、マリアン・ニクソン、ヘッダ・ホッパー、モーリス・マーフィー、ルシル・ラ・バーン、チャールズ・グレイプウィン、ロバート・ワーウィック、ルイズ・カーター、ベティ・ブライス、サラ・パッデン、フランシス・フォード、ジェイ・ウォード
女手ひとつで農場を経営し一人息子を育てあげた母親は、息子の恋愛を許せず何と戦場へ送る。やがてフランスで戦死した息子を持つ母の巡礼旅行の話が持ち込まれ…。やり手で嫉妬深い母親をヘンリエッタ・クロスマンが見事に演じる。パリで青年の自殺を止めたことから自らを省みて変わっていく母親という特異な設定が、この作品をフォードの中でも特別なものにしている。
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『プリースト判事 Judge Priest(81分)』-
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公開:
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1934年
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監督:
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ジョン・フォード
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出演:
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ウィル・ロジャース、ハティ・マクダニエル、トム・ブラウン、ヘンリー・B・ウォルソール、フランシス・フォード、アニタ・ルイス
南北戦争の記憶が残るケンタッキーの町で起こった傷害事件の真相を描く裁判劇。ウィル・ロジャースの当り役であるプリースト判事が見事な手腕を発揮する、言わずと知れた傑作。偉そうな検事の足元の痰ツボに痰を命中させるフランシス・フォードのおかしさ、法廷の窓の外で始まる演奏、それに続く怒涛のパレードの多幸感に満ちたエンディングに圧倒される
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『俺は善人だ The Whole Town’s Talking(93分)』-
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公開:
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1953年
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監督:
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ジョン・フォード
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出演:
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エドワード・G・ロビンソン、ジーン・アーサー、ウォーレス・フォード、アーサー・ホール、エドワード・ブロフィ、アーサー・バイロン、ドナルド・ミーク、フランシス・フォード
風采はあがらないが心優しい会社員・エドワード・G・ロビンソンは、心を寄せる同僚(ジーン・アーサー)をやっとの思いで昼食に誘うが、その食事中に突然逮捕される。ロビンソンは脱走したギャングのボスに瓜二つだったのだ。ロビンソンの一人二役の見事さはもちろん、きっぷのいいジーン・アーサーが事件を益々混乱させるのも可笑しい軽妙洒脱な一本!
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『ハリケーン The Hurricane(110分)』-
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公開:
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1937年
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監督:
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ジョン・フォード
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出演:
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ジョン・ホール、ドロシー・ラムーア、レイモンド・マッセイ、ジョン・キャラダイン、メアリー・アスター、トーマス・ミッチェル、C・オーブリー・スミス
南国の島を舞台にした、ラブロマンス&脱獄劇&海洋パニック映画。何といっても後半の巨大ハリケーン描写が凄まじく、人や建物を吹き飛ばす暴風、島を飲み込まんばかりの高波の描写は、これが30年代の特撮かと目を疑うような見事さである。現地人の知恵を生かして巨木に身体を縛りつけ生き残った男女は、文明に対する自然の勝利を表しているようだ。
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『若き日のリンカーン Young Mr. Lincoln(100分)』-
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公開:
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1939年
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監督:
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ジョン・フォード
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出演:
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ヘンリー・フォンダ、アリス・ブラディ、マージョリー・ウィーバー、ドナルド・ミーク、リチャード・クロムウェル、エディ・コリンズ、ミルバーン・ストーン、ワード・ボンド、アーリーン・ウェラン
弁護士として活躍していた若き日のリンカーンを描く。警官殺害事件で逮捕された兄弟をリンチにかけようと怒り狂う群集。法廷は荒れ…。リンカーンの姿や仕草に限りなく近づいたヘンリー・フォンダが凄い。有名な木に足をもたれさせて本を読むショットから、幼馴染の女性と川沿いを歩き、別れた後にフォンダが川に石を投げいれ波紋が広がる、その一連のシーンが素晴らしい。
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『モホークの太鼓 Drums Along the Mohawk(104分)』-
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公開:
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1939年
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監督:
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ジョン・フォード
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出演:
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ヘンリー・フォンダ、クローデット・コルベール、エドナ・メイ・オリヴァー、ジョン・キャラダイン、エディ・コリンズ
現在のNY州の北部にあったモホークを舞台に、原住民を利用してアメリカの独立を阻止しようとするイギリスの王党派と入植者たちの争いを描く。フォードにとって初めてのカラー作品。俊足を誇るフォンダが援軍を呼びに走り、そえを原住民たちが追う長い長い逃走シーンが有名。フォンダとクローデット・コルベール夫婦の絆も忘れ難い。
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『怒りの葡萄 The Grapes of Wrath(130分)』-
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公開:
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1940年
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監督:
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ジョン・フォード
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出演:
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ヘンリー・フォンダ、ジェーン・ダーウェル、ジョン・キャラダイン、チャーリー・グレープウィン、ドリス・ボードン、ラッセル・シンプソン、メエ・マーシュ
刑務所を出たフォンダは、家族と共に職を求めてカリフォルニアに向かう。しかし800人の募集に2万人が押しかけ…。恐慌の波に翻弄される1930年代のアメリカ社会と資本主義の矛盾、民衆のヴァイタリティを力強く描く。家族を支える母親を圧倒的存在感で演じたジェーン・ダーウェルはアカデミー助演女優賞を受賞した。
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『果てなき船路 The Long Voyage Home(105分)』-
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公開:
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1940年
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監督:
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ジョン・フォード
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出演:
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ジョン・ウェイン、トーマス・ミッチェル、アイアン・ハンター、ワード・ボンド、バリー・フィッツジェラルド、ウィルフレッド・ローソン、ミルドレッド・ナトウィック、ジョン・クォーレン、アーサー・シールズ、ジョー・ソーヤー、J・M・ケリガン
第二次大戦下、貨物船グレンケアンの水夫たちが船内や寄港地で引き起こす騒動や友情を描く。白黒の陰影、島影を映す暗い海など、グレッグ・トーランドによる映像は息を呑む美しさ。薬を飲まされ“地獄船”に囚われた若い船員(ジョン・ウェイン)を救出せんと駆け付けるベテラン船員たち。彼らから保護され悪い習慣から遠ざけられ、命懸けで救出される若きウェインの初々しさもまた貴重である。
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『タバコ・ロード Tabacco Road(85分)』-
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公開:
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1941年
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監督:
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ジョン・フォード
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出演:
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チャーリー・グレープウィン、ジーン・ティアニー、マージョリー・ランボー、ウィリアム・トレイシー、スリム・サマーヴィル、ウォード・ボンド、ダナ・アンドリュース
種も買えない貧困農家が銀行から土地代を請求されて、読み書きできない老夫婦と頭の弱い姉弟は困り果てる。家族で盗んだカブを奪いあい、息子が宗教オバサンと結婚して買った車もアッという間に鉄クズになり、オバサンが讃美歌を歌うとその場の全員が唱和してしまう。強烈なキャラクターと凄い展開に驚愕必至の救いのないコメディともいうべき一作。姉役のジーン・ティアニーの美しさにも驚嘆。
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『荒野の決闘 My Darling Clementine(97分)』-
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公開:
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1946年
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監督:
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ジョン・フォード
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出演:
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ヘンリー・フォンダ、リンダ・ダーネル、ヴィクター・マチュア、キャシー・ダウンズ、ウォルター・ブレナン、ワード・ボンド、ジョン・アイアランド
弟を殺した犯人を見つけるため保安官になったワイアット・アープはクラントン一家に目を付ける。そんな中、肺病病みの賭博師ドク・ホリデイと知り合ったアープは、ドクを訪ねて来たクレメンタインに心を奪われ…。誰もが知るOK牧場の決闘がテーマだが、むしろ日常的な床屋やダンスのシーンがとても印象的なのが、“静かな西部劇”と言われる所以か。
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『アパッチ砦 Fort Apache(126分)』-
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公開:
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1948年
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監督:
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ジョン・フォード
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出演:
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ジョン・ウェイン、ヘンリー・フォンダ、シャーリー・テンプル、ペドロ・アルメンダリス、ジョン・エイガー、アンナ・リー、ヴィクター・マクラグレン、ワード・ボンド、ジョージ・オブライエン
アパッチ砦にやってきた新しい司令官は先任大尉の意見を無視し、居留地から逃げ出した原住民を武力で制圧しようとするが…。アパッチの襲撃に追われる騎兵隊の幌馬車が、横転しそうになりつつ物凄いスピードで疾走する実写の迫力に唸らせられる。『黄色いリボン』『リオ・グランデの砦』と続くフォード騎兵隊三部作の第一作。
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『静かなる男 The Quiet Man(130分)』-
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公開:
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1952年
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監督:
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ジョン・フォード
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出演:
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ョン・ウェイン、モーリン・オハラ、バリー・フィッツジェラルド、ワード・ボンド、ヴィクター・マクラグレン、ミルドレッド・ナトウィック、フランシス・フォード、アイリーン・クロウ
アイルランドの村に帰郷したアメリカ人の元ボクサーと村の女性が結ばれるまでの紆余曲折を、ユーモアと愛情を持って描いた作品。恋とケンカと歌と酒、そしてお祭り騒ぎの大団円。フォードの故国アイルランドへの愛が溢れだす。ジョン・ウェインが村に向かう途中、赤いスカートを翻して羊の群れを率いるモーリン・オハラと視線を交わす運命の出会いのシーンの素晴らしさ!
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『太陽は光り輝く The Sun Shines Bright(101分)』-
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公開:
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1953年
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監督:
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ジョン・フォード
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出演:
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チャールズ・ウィニンジャー、アーリーン・ウィラン、ジョン・ラッセル、ステピン・フェチット、ラッセル・シンプソン、ルドウィヒ・ストッセル
『プリースト判事』のリメイク作品。判事選挙を控えた南軍派のプリーストはある事情で医者の養女になった娘を気にかけているが…。選挙当日、北部出身の対立候補が選挙活動に勤しむ中、大通りに娼館で死んだ女性の葬列がやってくる。その葬列に従うのはプリーストだけ。しかし一人また一人と列に加わり沈黙の大行進が教会まで続く。最後に控えた判事選後の戦勝パレードにも見られるように、パレードはフォードにおける重要な要素である。
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『モガンボ Mogambo(116分)』-
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公開:
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1953年
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監督:
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ジョン・フォード
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出演:
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クラーク・ゲイブル、エヴァ・ガードナー、グレイス・ケリー
動物園の依頼で猛獣を手に入れる仕事をしているクラーク・ゲイブルのキャンプにエヴァ・ガードナーがやってくる。そして人妻のグレイス・ケリーとゲイブルを争うというワイルドなメロドラマ。小象と戯れてひっくり返り、瓶を投げつけ、歌い、嫉妬しながらも懐の深さを見せるガードナーが魅力的。アフリカのサバナでもエレガントな洋服を着た女性たちと美しい猛獣たちこそが主役。
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『捜索者 The Searchers(119分)』-
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公開:
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1956年
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監督:
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ジョン・フォード
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出演:
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ジョン・ウェイン、ジェフリー・ハンター、ヴェラ・マイルズ、ナタリー・ウッド、ワード・ボンド
ジョン・ウェインの兄一家がコマンチ族に襲撃され、唯一生き残った幼い姪が攫われる。ウェインは復讐と姪奪還の旅に出る。ゴダールも『映画史』の中で引用した史上最高との呼び声高い西部劇。冒頭とラスト、家の中から外に向いたカメラによって切り取られた荒野が素晴らしく美しい。最後に姪を家へと送り届け皆が家の中へと入っていくが、ウェインは背を向けて荒野へと歩き出す。そして家の扉が閉まり映画は終わる。フォードは"家族の一員になることの出来なかった一匹狼の悲劇"と本作について語っている。美しく残酷で歪な傑作。
©Park circus/Warner
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『リバティ・バランスを射った男 The Man Who Shot Liberty Valance(ジョン・フォード)』-
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公開:
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1962年
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監督:
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ジョン・フォード
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出演:
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ジョン・ウェイン、ジェームズ・スチュアート、ヴェラ・マイルズ、リー・マーヴィン、エドモンド・オブライエン、アンディ・ディヴァイン
ある男の葬儀のため西部の街にやってきた上院議員(ジェームズ・スチュアート)が、記者たちにその訳を回想形式で語る、かつて存在した西部の物語。西部に法をもたらそうと町にやってきた弁護士スチュアートはリバティ・バランス一味に襲われ無一文に。それを揶揄する早撃ちの名手ジョン・ウェイン。法と銃、秩序と暴力を二人の名優が体現する。アメリカと言う国が愛した西部劇の終焉。かつて英雄だった男が世界の変化を受け入れる諦念と無常。哀しさをウェインが全身全霊で演じる。その魂は最後に記者が放つ「ここは西部。伝説と事実なら伝説をとります」という言葉の中に生きている。
©Park circus/Paramount
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『荒野の女たち 7 Women(87分)』-
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公開:
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1966年
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監督:
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ジョン・フォード
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出演:
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アン・バンクロフト、マーガレット・レイトン、フローラ・ロブソン、スー・リオン、ミルドレッド・ダンノック
女たちと腑抜けた牧師見習いとが暮らす中国辺境のキリスト教布教所。そこに医師のアン・バンクロフトがやってくる。無神論者でヘビースモーカーの医師と狂信的リーダーはすぐに対立するが、コレラ騒ぎに続き蛮族がやってくる。女たちと赤ん坊を助けるためのバンクロフトの自己犠牲の理由をフォードは語らない。ひとり門の中に消えていくショット、暗闇の中で意を決して立ち尽くすショット、終盤のクローズアップはどれも素晴らしい。そしてフォードらしく茶碗を叩き割って「あばよ クソッたれ」と言い放つ鮮烈なラストで、本作とバンクロフトは映画史に残る伝説となったのだ。*オリジナル・シネスコサイズでの上映ですが、画質は万全とは言えない状態です。ご了承の上ご覧ください。
©Park circus/Warner
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『香も高きケンタッキー Kentucky Pride(72分/MoMA修復版)』-
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公開:
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1925年
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監督:
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ジョン・フォード
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出演:
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ヘンリー・B・ウォルソール、J・ファレル・マクドナルド、ガートルード・アスター、ピーチス・ジャクソン、マルコム・ウェイト、ベル・ストッダード、ウィンストン・ミラー
牝馬“ヴァージニアの将来”によって語られる彼女と娘の運命、そして彼女が見た人間達のドラマ。賭博好きの主人たちの浮き沈みによって馬の運命も翻弄される。荷車を引かされる彼女が雨に濡れた舗道でかつての主人と再会し、蹄を鳴らして注意を引こうとするシーンがこれほど心を揺さぶるのは、自分をなでる主人の手や、生まれたときの主人の喜びのカットの印象的な挿入があってのこと。そして破産して全てを失った主人が娘と再会するなら、“ヴァージニアの将来”の苦労も報われることが道理なのだ。一度観たら忘れられない傑作であり、記憶の中のジョン・フォードの馬は健気にも愛おしく足を動かしてくれるだろう。
©Park circus/Disney
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上映予定作品一覧(全25本)
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2022/07/23 ~ 2022/08/19
『誉の名手 Straight Shooting(72分)』
『砂に埋れて Hell Bent(53分)』
『アイアン・ホース The Iron Horse(150分)』
『四人の息子 Four Sons(96分)』
『血涙の志士 Hangman’s House(71分)』
『最敬礼 Salute(84分)』
『大空の闘士 Air Mai(85分)』
『戦争と母性 Pilgrimage(96分)』
『プリースト判事 Judge Priest(81分)』
『俺は善人だ The Whole Town’s Talking(93分)』
『ハリケーン The Hurricane(110分)』
『若き日のリンカーン Young Mr. Lincoln(100分)』
『モホークの太鼓 Drums Along the Mohawk(104分)』
『怒りの葡萄 The Grapes of Wrath(130分)』
『果てなき船路 The Long Voyage Home(105分)』
『タバコ・ロード Tabacco Road(85分)』
『荒野の決闘 My Darling Clementine(97分)』
『アパッチ砦 Fort Apache(126分)』
『静かなる男 The Quiet Man(130分)』
『太陽は光り輝く The Sun Shines Bright(101分)』
『モガンボ Mogambo(116分)』
『捜索者 The Searchers(119分)』
『リバティ・バランスを射った男 The Man Who Shot Liberty Valance(ジョン・フォード)』
『荒野の女たち 7 Women(87分)』
『香も高きケンタッキー Kentucky Pride(72分/MoMA修復版)』
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2022/06/23
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2022/06/23
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2022/06/12
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2022/05/30
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2022/05/27
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2022/05/21
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2022/05/11
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2022/04/30
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2022/05/01
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2022/04/16
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